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幸せは自分で掴むもの
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「だから、お前が今の状態を戻さなかったら俺の具合が悪くなるんだ!それに、王道ってのになりたいんだろ?顔が良くなきゃいけねぇんだろ?、頭が良くなきゃいけねぇんだろ!他にもいっぱい言ってたよな!なのになんで、ぽっちゃりはOKなんだ?どうかんがえてもおかしいだろ!ぽっちゃりは立派なマイナスポイントだ!!!」


 竜ちゃんは、はあはあと珍しく取り乱しながら、一気に捲くし立てていた。


「でも、母さんはポチャッとしていてかわいいって・・・」


「親の贔屓目だろ」


冷たく言い切られてしまった。



「うぅ。りゅ、竜ちゃんだって、柔らかくて気持ちいいって体中撫で回すじゃないかぁ!」


「変なこと言うんじゃねぇ!!」


 そんなに怒んなくてもいいのに・・・。実際ほっぺたとか、二の腕とかプニプニするじゃないか!ちょっとした表現の違いだろ?(かなり違うよ?)


 竜ちゃんは冷静になろうと大きく息を吐いて、前髪を掻き揚げた腕の隙間から横目で見てきた。


「もういいだろ。十分元気になったと思うぜ?この一年は皆勤だったし、前に一緒に乗せてもらった伯父さんの船でも酔わなかったろ?」


 確かにそうだ。最近は病気もしないし、無駄に元気だ。あれだけ駄目だった船にもぜんぜん大丈夫で、カモメや白い波が楽しくてしかたがなかったなぁ。


「それに、今はまだぽっちゃりだが、このままだとマジでメタボになるぞ?健康どころか、この年で成人病の仲間入りだ。いや、既に予備軍に入っているかもしれない。」


「そんなっ。」


「今から頑張って痩せたほうがいいんじゃねぇのか?心配いらねぇよ。痩せすぎなきゃいいんだから。それにお前、呼吸器系を強くしたいからって始めた合気道は今も続いてるんだろ?だったら大丈夫だよ。」


 いつの間に近付いてきたのか、低い声で耳元にそっと囁く竜ちゃん。


 なんだか洋画のワンシーンみたいだ。けど絶対、甘いシーンじゃなく、犯人が脇役を唆す時のような・・・


「ククッ今なら俺も付き合ってやってもいいぜ?お前の食欲のストッパーになってやるよ。


  さあ、始めるなら今だ!!!」




 麗しい笑みを浮かべながら、両手を広げて英会話教室のキャッチコピーのような台詞を吐く竜ちゃん。



 なんだか、どんどん竜ちゃんが壊れていってる・・・。








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あきゅろす。
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