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幸せは自分で掴むもの
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「僕、族って強くてカッコいいって憧れててさ、それを知ってた四天王の皆が半分以上お遊びで、結成してくれたんだ。僕のおじいちゃんの店である白薔薇をもじって黒薔薇ってつけてさ。年下にも係わらず、こんな僕を、皆総長として大切してくれてたんだ。僕を中心にする事で泣いてばかりの僕が少しでも安心できるようにって、居場所を作ってくれたんだろうね。ふふっ、晶が総長なら残ったヤツラは、四人だから四天王な?って皆で笑いながら決めたんだ。」


「楽しかったぁ・・・。皆、僕の事を本当の弟みたいに可愛がってくれてね?白薔薇に来ると、絶対誰かは居てくれてたんだ・・・。だから、学校で苛められても、白薔薇に行けば皆が居てくれるって頑張れてたんだ・・・・・・・。」


 そう言って黙り込んでしまった美伊那ちゃん。


「・・・美伊那ちゃん?」


 不思議に思った僕は、首を傾げて美伊那ちゃんの様子を窺った。


 どれくらいそうしていたんだろう・・・。


 暫くすると、苦しそうに顔を歪めながら美伊那ちゃんが続けた。


「・・・本当に僕達は楽しく皆で居られればそれで良かったんだ。皆で、仲良く笑ってずっとずっと一緒に居られれば・・・。けれど、周りがそれを許してくれなかった・・・。」


「黒薔薇は、小さいながらに人材に恵まれていたからね。そんな、僕達が力をつけてしまわない内に、吸収してしまおうとするチームがどんどん現れて、僕達は狙われた。ふふっ中でも、小さい僕が奴らにとって恰好の獲物だったろうね。ライオンが、動物の子供を狙うように・・・。」


 悲しそうな目をしながらも、口元に笑みを湛えている美伊那ちゃんの姿に、思わず泣きそうになる。


 だけど、僕は、グッと涙を堪えて、無言で美伊那ちゃんの話に耳を傾けた。


「それを、阻止しようとしてくれたのが、四天王の一人だった竜二だ。彼は、僕を誰よりも大切にしてくれていた人なんだ。僕も仲間想いで優しい竜二を一番慕っていて、いつしか僕は当然のように彼に恋をした。」


「愛する彼が、僕の代わりに総長と名乗り、人数の少ない僕達が確実に勝つために、囮となって集まった敵を一網打尽にやっつける方法が取られたんだ。始めのうちはね?確かに効率的な方法に思われたけれど、竜二は決して強くは無かった・・・。」




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