幸せは自分で掴むもの 5 「もう知ってると思うけど、黒薔薇総長、美伊那晶です。」 手を後ろに組んで、首を傾げながらにっこり笑う美伊那ちゃんは凄く可愛かった。 「ふふっ、本当の自己紹介が出来るって嬉しい事なんだね。これも倉橋君を始め、皆のおかげだ。」 「えへへ、じゃあ僕も!改めまして、倉橋佑です!よろしくね?」 「えっと、今井康弘です。始めまして、美伊那さん。」 「うん!ヨロシクね?」 僕達3人は、ニコニコと仲良く自己紹介をし合った。 「ふふっ。僕が総長だって聞いた時ビックリしたんじゃない?」 「うん。確かにね。総長ってもっと、こう、最強で強面の人を想像してたからね。ね?今井君。」 「俺にフルなよ・・・。」 「あぁ、飴、ありがとうね?」 「っ!?あ、いや・・・マジすみません・・・。」 「ブフッ、今井君何、恐縮してんの?」 「だ、だってお前・・・。ウチの総長なんだぜ?」 「その総長に飴あげてたじゃない。」 「っ!だから言うなってっ!!」 「ふふ、不思議だよね?最強チーム黒薔薇の総長がこ〜んなに可愛い僕だなんて。」 可愛さをアピールするように、クルリと回った美伊那ちゃんに思わずツッコミたくなったけれど、寂しそうな表情にその気持ちも失せた。 「元々、黒薔薇は、仲間内だけの小さなチームでさ。皆のお兄ちゃん的存在の修兄ぃ(槙修介)、常識人の実朝君(九条実朝)、いっつも明るい寿君(神田寿和)そして・・・仲間想いの竜二(芹沢竜二)・・・最後に僕の5人が始まりだったんだ。」 「僕ね?小さい頃からずっと成長が遅いことでからかわれて来ててさ。いっつも隠れて泣いているばっかりだったんだ・・・。そんな僕の為にって僕を可愛がってくれてた4人が作ってくれた唯一の居場所が黒薔薇だったんだ。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |