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旱天の慈雨(グリーン)



ばーか。

彼はそう言って笑った。




月曜日。
憂鬱だ。
貴方が遠く感じる。
特にすることもないので相棒のカイリューに乗ってタマムシシティへ。

食材と服、それからポケモンフーズの材料であるきのみをたくさん買った。



火曜日。
昨日かったきのみでポケモンフーズを大量に作った。
私の手持ちのポケモン用ではないが、フーズを作っている私の横で物欲しそうにフーズを見ているヨーギラスが可愛くて、つい与えてしまった。



水曜日。
自分のことをとことん放置する幼なじみの為に服と食材を持ってシロガネやまへ。
昨日大量に作ったポケモンフーズは幼なじみのポケモン用である。

「食材とかもってきたよ」

そう声をかければ返事をしたのは勿論幼なじみの相棒、ピカチュウだ。
それから少し後にやってきた幼なじみとたわいもない話をして帰宅。



木曜日。
シンオウチャンプとお茶をした。
実質カントーチャンプにも関わらずチャンピオンの椅子に座らない幼なじみの話や、もう一人の幼なじみ、トキワジムリーダーの話をした。



金曜日。
ホウエンチャンプに遭遇。
あの人は凄く苦手だ。
「偶然だね。」なんて言葉とお得意の作り笑い。
こちらも引きつった笑顔と「ソウデスネー。」なんて適当な返事で応戦。



土曜日。
あとすこし。

可愛い可愛いポケモン達とゆったり。
みんなカイリューにもたれかかって寝息をたてている。



日曜日。

朝。
とうとうこの日がやってきた。
やっと。

朝からいつもの数倍気合いを入れて晩御飯の準備に取り掛かる。

昼。
ポケモン達のお昼ご飯も忘れていて、ウィンディに服の裾を引っ張られ催促される。

夜。
やっとやっと貴方に会える。
晩御飯はいつもより多く豪華に二人分。

待ち遠しくて部屋の中をうろうろしているとノックが聞こえた。
私は相手が誰かも確認せずにドアを開き、立っていた人物の腕の中へ飛び込んだ。

「グリーンっ。」
会いたかった。寂しかった。
言いたいことは沢山あるはずなのに全く出てこなかった。
視界はどんどん歪んでいく。
「なんだ?そんなに俺に会いたかったのか。」
自惚れんなばか。小さく呟いた声はグリーンに届いていたようで、「いつでも会いにきてよかったんだぞ。」と返事が返ってきた。

日曜日の夜しか体があいてないって言ったのグリーンじゃない。と心の中で言えば、「誰も会いにくるなとは言ってないだろ、ばーか。」と心を読んだかのように彼は言ったんだ。







待ってた。
ずっとずっとこの日を。












 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
初グリーン夢。
「旱天の慈雨」の意味は
待望の物がようやく手にはいること。
とかそんな感じ。






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