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タケルくんとヒカリちゃん
「ねぇ、タケルくん」
「なぁに? ヒカリちゃん」
 私の隣でパタモンと遊んでいたタケルくんに話し掛ける。不思議そうに首を傾げるタケルくんの膝の上で、パタモンも同じように首を傾げている。それを見て似てるなぁと思って、少しだけ笑った。

「あ、なに笑ってるの」
 タケルくんは急に笑われたことに少し機嫌が悪くなったみたいで、小さく片頬を膨らませた。

「だってタケルくんとパタモンが、おんなじかっこうしてたんだもん」
 そう言うと、タケルくんはビックリしたみたいに目を丸くして、パタモンの方を見る。

「おんなじだった?」
「えー、ボクわかんないよー」
 さっきと同じように2人で首を傾げる様子にまた笑う。

「おんなじよ、ね? テイルモン」
「ええ」
 笑うのを我慢しながら、ずっと傍で私たちを見ていたテイルモンに聞くと、コクリと頷いてくれた。

「そうかなぁ……まぁいっか! それでヒカリちゃん、なんの用だったの?」
 タケルくんの言葉に、そうだったと最初に話し掛けた理由を思い出す。

「あのね?」
「うん」
「タケルくんは、幸せって何色だと思う?」
「色?」
 目をぱちくりさせて、タケルくんが聞き返す。

「うん、幸せの色」
「うーん、そうだなぁー」
 いつの間にかタケルくんの頭の上に移動していたパタモンと一緒に、タケルくんがうんうん言いながら考えている。その顔がよく似ていて、私はまたこっそり笑ってしまったけど、真剣に考えている2人は全然気付かない。

「ヒカリちゃんは何色だと思うの?」
 少し考えた後で、タケルくんは私に同じことを聞いてくる。

「私が先に聞いたのに」
「えーだってむずかしいよー」
 口をとがらせてタケルくんが拗ねる。そんなタケルくんを見てちょっと笑ってしまう。仕方がないから私は質問に答えてあげることにした。

「私はね、白色だよ」
 私の答えにタケルくんが「どうして?」と首をかたむける。

「だって白色は何色にもなれるでしょ? 幸せのかたちは人それぞれってお兄ちゃんも言ってたわ。だから幸せの色も、人それぞれだと思うの」
 自信満々に言った私の答えを聞いて、タケルくんはきょとんとして目をぱちぱちさせていた。それからパタモンと目を見合わせて、にっこり笑った。

「じゃあ僕も白色にする!」
「ボクもー!」
「えーずるい」
「ヒカリの真似じゃない」
 元気よく言ったタケルくんとパタモンにテイルモンと二人で文句を言う。するとタケルくんが私の方をじっと見つめる。どうしたんだろうと思って、私も見つめかえしていたら、タケルくんの口がゆっくり開いた。


「だって僕ね」
「?」
「僕、ヒカリちゃんと同じ幸せがいいんだもん」


 そう言って、もう一度、さっきよりもずっと優しい顔でタケルくんが笑うから、私は何を言ったらいいかわからなくなって、とりあえずあつくなったほっぺを隠そうと両手をほっぺにあてた。



  無邪気





(私もタケルくんとおんなじがいいなぁ)





霞草


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ひっさびさの無印タケヒカでした!小2の口調むずい!無印タケルくんは天然タラシだといいなって思いました。




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