本日快晴
そう、それはまるで
この日を待っていたかのように
空は晴れやかに澄んでいたんだ
本日快晴
「出ないな……。」
先程からずっと電話を鳴らしているのだが、相手はまだ寝ているのかコール10回目にして未だ出る様子がない。
「かけなおすか……って、あ」
諦めて受話器を置こうとしたところで、コール音が途切れる。続いて
「丈さん?」
と眠そうな声。やっぱりまだ寝てたか、と少し申し訳なく思いながら
「ああ、おはよう、光子郎。まだ寝てたかい?」
と尋ねてみる。
「ええ、まぁ……どうしたんですっ!?って、うわぁぁ……っ!」
返事をしようとした彼の声が、突然、叫び声になったかと思うと何やら電話口から言い争う声が聞こえる。何を言ってるかは良く聞き取れないが相手は女の子のようだ。
そんなことを考えていると、突然
「丈せんぱーいっ!」
と、聞き覚えのある可愛らしい声がした。
「ミミ君……?」
その声は紛れもなく、僕よりも二つ年下の太刀川ミミ君のもの。久々に聞くけど、女の子らしい綺麗な声は変わらない。
「うん!びっくりした?」
いや、びっくりも何も……
「何でミミ君がそこに?」
時刻は午前6時30分を回ったくらい。光子郎はさっき起きたみたいだし、どう考えてもおかしい。
「んーと、昨日、光子郎君家に遊びに来たら、そのまま朝まで一緒に寝ちゃってー、」
「一緒に寝っ……!?」
「あーもう、ミミさんっ!」
光子郎がミミ君から電話を取り上げたようで
「もしもし、丈さん?違いますからね!?誤解しないでくださいよ!?」
と必死な声が。後ろではミミ君が何事かを騒いでいる。
「そう言われても……」
朝まで一緒に寝た、などと言われて誤解するなと言う方が無理だ。
「なによー!光子郎君のばかーっ!」
「何がですか!ちょっとミミさん落ち着いてくださいよ!」
「昨日あたしにあんなことしといてー!!!」
「何の話ですかっ!」
───プツッ、ツー、ツー
「……………………」
結局、何の話も出来ないまま電話は切れ、何が何やらわからない僕は、とりあえず聞かなかったことにすることにした。
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