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【デート?】ブンジロ+幸
愛児様リク作品


俺、丸井ブン太は今、遊園地に来ている。
もちろん恋人の芥川慈郎と一緒に。

そして何故か、部活の部長である幸村精市も…。

「…何で幸村くんが来てんの?」
「俺が居ちゃ駄目かい?」

駄目に決まってんだろぃ!
でも、幸村の笑顔が恐くて口には出せなかった。
俺の弱虫!!

「退院してから初めてだよ。友達と遊ぶの」
「幸村くん…」

そうだよな。
幸村も一緒に遊びたかったんだよな。

「さあ、丸井のお許しも出たし、行こうか?芥川」
「ユッキーは最初に何乗りたい?」
「俺が選んでいいのかい?芥川は優しいね」

俺が自分の世界に浸っている間に幸村はジローを連れて先に進んでいっちまった。

って、幸村!
勝手にジローに触んじゃねぇよ!

「丸井、何か言ったかい?」
「何も言ってません」

やっぱり笑顔が恐ぇ…。

「俺、最初にジェットコースターに乗りたいな」
「マジマジ!?俺も乗りたいと思ってたC!」

幸村の希望でジェットコースターに行くことになった。
乗り場に行くと、何故か人が全くいない。
まわりを見渡して気付いたが、客が全然いない。

「ここって人気あったよな?」
「跡部が貸し切りにしてくれたんだよ!」

俺のつぶやきにジローが答えた。
今回ばかりはアイツに感謝しなければいけないらしい。
すっげぇ癪だけど…。

「早く乗ろうぜ」
「芥川、一緒に乗らないかい?」
「いいよー」

俺がジローの手を引いて行こうとした瞬間に、幸村がジローの手を掴んで行ってしまった。

……横取りされた?

結局、俺が一人で乗ることになってしまった。
前でジローと幸村が楽しそうに話してるのを見て、まるで俺が二人の邪魔をしに来ているような気になってしまった。

「いやー、楽しかったねぇ」
「楽しかったCー!」

満足気に笑い合う二人を横目に見ていると、悲しくなってくる。

「丸井くん、楽しくない?」
ジローが顔を覗き込んでくる。

「た、楽しいぜ!」

まあ、正直言ってつまらない。
デートに来たはずなのに、楽しんでるのは俺とジローじゃなく、幸村とジロー。
何故?
そんな疑問ばかりが浮かんでくる。
楽しみたいのに楽しめない。

「丸井」
「?…何、幸村くん」

ジローが次に行くところを決めている時に、幸村が話し掛けてくる。

「つまんないだろ」
「…っ!」

わかってるなら、何で?
そんな言葉が出そうになるが、幸村の目が喋るなと言っているようで話せなかった。

「これはね。復讐なんだよ」

「復讐…?」

復讐されるような事をしてしまったのだろうか。
考えてみるが、何も思いつかない。
俺が悩んでいると、幸村はにっこりと微笑んだ。
…黒いオーラを纏ながら。

「ふふっ、嘘だよ。ただのい・や・が・ら・せ」
「い、いやがらせぇ?」

それはもう、楽しそうに幸村は言った。

「だってズルイじゃないか、皆ばっかり」
「何が?」
「俺だって楽しみたかったんだよ」

俺等とじゃなくても、いいんじゃ…。

「レギュラー全員にしてるんだよ。知らなかった?」
…知らなかった。
そういえば先週から仁王が幸村を警戒していたような…。

「さすがに可哀相だから、帰るよ。芥川と楽しんで」
「え?あぁ、うん」

そう言うと、何事も無かったように幸村は帰っていった。
その後は当初の予定通り二人でデートをしたのだが、素直に楽しめなかった。

やっぱり、幸村には一生勝てないのかもしれない。
邪魔されない事を祈るしかないのか?




---後書き---
何これ?(毎回言ってるな)
ギャグ?軽くシリアス入ってませんか?
シリアスが好きなのかな、私。
全然、ブンジロ要素が入ってない!?
ゆっきー精市さんが出しゃばり過ぎやん。
ごめんなさい。






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