幸村×今川
幸村は今川をただ見つめていた
華奢な身体、揺らめく腰
挑発的に細められた瞳に、赤く艶やかな唇
緩やかに浮かんぶ笑み、幸村にはけして女性らくはない今川の全てが不思議と色っぽく見える
「破廉恥でござるぁぁあ!!」
突然、幸村は顔を真っ赤にさせて叫び出す
「な、いきなり何でおじゃるか!?」
急に怒鳴られた今川の肩はびくっと震え、幸村を見た
焦った様なその表情ですら、見つめていれば視線ごと魂をも奪われそうだと幸村は錯覚する
否、妄想かもしれない
「今川殿、破廉恥でござるぞ!」
「お主、何を言うでおじゃる!まろの何処に恥ずべき所があるというのでおじゃるか!?」
勿論、今川は幸村が何を言っているかなど理解出来ない
破廉恥といわれた事にぷんすかと怒るだけだ
「ぬぉおぉぉお!そのように某を誘惑なされるな!!」
「いつまろがお主を惑わしたというのでおじゃる!?」
恋は盲目、というかこれは恋なのだろうか
とにかく、今の幸村の目には怒る今川でさえ可愛らしく映るのである
「今川殿…もしや誘っておられるのか!?」
「おじゃぁあぁぁあ、なんで近付いてくるでおじゃるかぁあ!!?」
じりじりとにじり寄る幸村に今川は身の危険を感じたらしい
幸村に背を向けて走りだす
「今川殿、何故逃げられるか!?」
そのまま始まった鬼ごっこ、はたして鬼から今川が逃げられたかは誰も知らない
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