知りたい気持ち
「先生……」
いつものレイトンの研究室で、仕事が一段落ついたレイトンに紅茶を出しながら、ルークは控え目に声をかけた。
いつも元気がいいルークだから…こんな風に大人しくなる時は何かあるのだと、考えずともすぐに分かる。
レイトンは普段より優しめに、何だいルークと笑顔を向けた。
ルークはそんな笑顔を見ると、上げていた顔を俯け黙り込んでしまう。
何か地雷でも踏んだかなと、内心少し焦りながらもルークが喋るのを待つと、彼は俯いたまま小さく口を開いた。
「先生は…、知りたいと言う気持ちは大事だと思いますか?」
「勿論だよルーク、知りたいと言う気持ちが歴史を紐解き、謎を解明させるんだ。君も出された謎の答えは知りたいだろう」
「は、はい…」
「どうしたんだい、何か知りたい事でも? 知識の探求は素晴らしい行為だよ」
レイトンは、何故か緊張しているらしいルークの気持ちを和らげようと言うが、ルークは、
自分の気持ちはそんな立派なものではない為、逆に言い出すのが恥ずかしくなってしまった。
いま自分が持っている知りたいと言う気持ちは、ただの嫉妬と虚栄心の積み重ねなのに。
「それとも、悩み事かな。私で良ければ話してもいいんだよ」
「……」
切り出してしまった以上言わない訳にもいくまい。
優しいレイトンの事だから、ルークの様子が変だと分かれば、解決するまで気にかけ続けてくれるだろう。
それでは迷惑になりかねない…ルークは小さな勇気を振り絞る。
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