変態は捕まるのが道理ってもんだ③
店に入るやいなや、何か叫び声が聞こえたようだとＣ番の子が不安げにこっちを見てきたので、私は酔っ払い同士が喧嘩してたよとデマかせ言っといた。
だって私が騒いで人をドブに突き落とした事を知られたら、クビにされるか警察につきつけられるかでいい事ないもん。悪いの私じゃないし、アイツだし。自業自得。
酔っ払いには気をつけてねと、忠告してから私はさっさと退勤して家に帰った。
気分が悪いので、いつもは２本しか飲まないのに、今日は缶チュー５本を一気飲みして、掲示板でオヤジを叩いてから（とても盛り上がった）眠った。
翌朝。未だに怒りが収まらない私は、同じく人生負け組な友達と朝から飲む約束をしたので、身支度を調え遅目の朝ご飯を食べながらテレビのニュースをぼんやり眺めていると。
「あ」
そこには昨日のオヤジが映っていた。
どうやら今朝、通学途中の女子高生に「魔女っ子になってくれ」としつこく迫り、更にストーカー発言をした事で一緒にいた女子高生が警察に通報し、逮捕されたようだ。
いやはや、捕まってなんか安心したわ。苛々も少し収まった気がする。
きっと今掲示板見たら、昨日より盛り上がるんじゃないかな。私もこいつに絡まれたし、暫く注目されるかも？
しかし…あのオヤジやっぱり普通じゃないわ。てか…
「………馬鹿じゃね？」
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