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変態は捕まるのが道理ってもんだA


「な、な、何なのあんた!訳分かんないんですけど!とにかく早く倉庫から出てよ!」
「ふっ、そうだな。所で君、魔女っ子に興味ないかね?」

倉庫から出て来た人は、端っこがくるりとカールした髭と紺色のスーツを着たゴミ臭を漂わせたオヤジだった。

「頭湧いてんの?この歳である訳ないし」
「あーぁ、ノンノンノン。勘違いしないでくれ。君には魔女っ子ではなく、敵対するヒステリー年増の魔女をやって欲しいんだ」
「………は?」
「一目見てから気になって、ここ一ヶ月君の様子を観察してたんだけど、実にこの役にピッタリでね。是非君にやってもらいたいと思って勧誘しに来たんだ!おかげでゴミ臭くなっちゃった☆」

やばい、こいつうぜぇ、気持ち悪い!
今、観察したっていってたよね。何それストーカー?
ドン引きしてる私の手を握り、オヤジは爽やかに笑った。

「この歳になって彼氏もいないわ職もないわ、その癖たいした努力もしないで全部社会の所為にして、苛々したら八つ当たり。帰って汚部屋で酒片手に掲示板で人の中傷してニヤニヤしてる君こそ、私の描く魔女そっくりなんだ!」

私、絶句。
力説するオヤジに問いたい。けなしばかりかのその言葉に、誰が喜んでオヤジの電波な魔女とやらになりたいという奴がいるというのだ。
ていうかマジで私の行動観察してたのか、気持ち悪い、超やだ、生理的にもう無理。

「どうかな。やらないか、魔女。やりたいよね、魔女」
「……お客様、かなりそのスーツが汚れてますので、早急に洗った方がよろしいと思いますよ」
「ん?なんだい急に」
「今すぐ失せなこの変態糞オヤジがっ!!!!」

横にちょっと高さのあるドブがあって良かったわー。
私はオヤジの腕を強く掴み、足に力を入れ、力付くで横のドブへと突き落とした。

「あぁあっ!!!」

ドボン!と派手な音を立てて、変態オヤジはドブに落ちた。

「ちょ、助けて痛いんだけど臭いんだけど!」
「死ね!」

ついでにゴミ袋をオヤジの頭に投げ捨ててやった。

「痛っ!重っ!くっさー!」

ぎゃんぎゃん五月蝿く吠えるオヤジを無視して、私は帰るべく店内へと入った。


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