☆英語②
シロの教え方はとても丁寧で分かりやすかった。
（さらーって読んで、なんとなーく理解したら、ズバーって解け。なんて言われると思っていたんだが）
期末前、級友の一人に頭がいい奴がいるので、そいつに勉強方法を聞いたらこう答えられた。勉強は出来るが教え方は壊滅的らしい。
だからもしかしてシロも同じ事を言うんじゃないかと少し不安だったのだ。言っちゃ悪いがシロは頭が良さそうには見えない。日頃の生活を見て、勉強がそんなに出来るとも思っていなかった。
中の下くらいかと。
今日新たに発覚したシロの過去によると、留学していたらしいから、英語は大丈夫そうだな。今度またテストの前に、教えてもらおう。
「ただ、犬に踏まれるだけが特技じゃなかったんだな」
生暖かい目で見た俺に、シロはぷるぷる肩を震わせ涙ぐんでしまった。
「ご…ご主人様、俺…泣いていいですか…ぐずっ」
「もう泣いてんじゃん。悪かったってシロ。つい口が滑って…あ」
「ご主人さまは俺の事そう思ってた訳ですね。ぐずっ…」
「あ…その…、補習終わったら名一杯遊んでやるから。頭も撫でてやるから、な？」
「ぐずっ、頭は今がいいです…ひっく…」
悪い悪いと謝って、がしがし頭を撫でてやればへらっと笑って。
うーん、やっぱこいつ可愛いな。
ついでに弄ってやるともっと可愛いんだぜ。俺の最近の癒し。
由良には絶対に言わないけどな！（言ったらきっと勝ち誇ったような顔で笑って、ドラマのように癒しをもらえて良かったななんて言うに違いない）
ともあれ英語の補習は、シロのおかげでなんとか乗り越えられた。
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