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☆英語@


前回やった期末テストが返却された。
結果はいつも通り平均的だったが、一つだけ例外があった。英語、41点。
因みにこの学校の赤点ラインは50点である。
つまるところ、あと9点足りずに赤点な訳で。
明後日に補習のテストを行うので、それをクリアしなくてはならない。


「英語なんて滅べ…!」

自室にて英語のテストを握り潰し、机に拳を振り下ろした。ガタンと音を立てて、筆記用具と英語のテキスト類が一瞬宙に浮かび、落ちた。

「…あれ?いつも躾の時に英語使ってますよね」

隣で本を読んでいたシロが首を傾げた。
確かに躾は英語で行っていて、発音だって自信はある。
だから不思議に思われても当然かもしれないが、俺は英語が嫌いだ。

「あれは親父からみっちり発音の仕方まで扱かれたからな。てか単語は分かるんだよ、長文が問題なだけで…」
「苦手なんですね」
「見るとやる気失せるっ…!」
「はぁ」
「あぁぁ!やりたくねぇ…。プリント埋まらないし、長文のオンパレードだし、もう無理。分かんないもうやだ俺寝る」

先生に渡されたこのプリントから補習テストの問題が出るから、それが出来れば補習は大丈夫らしい。それが出来れば。
出来ないので、俺は机に突っ伏し現実逃避。

「はははー、単位落としたら留年かー。それでもいいかな。長文なんて出来なくたって生きてけんだよバカヤロー」
「ご主人様…。俺、教えましょうか?」
「お前、出来んの?」

突然の申し出に驚き顔を上げ、シロをまじまじと見る。

「はい。留学をしていた事がありますので、少しだけ自信あります」

にこっと笑った顔が頼もしく見えた。




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