ルームメイト③
「改めて、お疲れ様～。と、おかえり。今日のご飯何？」
「ん。ただいま。今日は作る気分じゃないから、のり弁買ってきた」
「あー…、プロジェクトうまくいってないの？」
「いってたら、今頃豪華な食卓に囲まれてるぜ」
「肩でも揉もうか？」
「お前の肩揉みは、痛すぎるから嫌だ。ひっきーの癖になんでそんな腕力あんだよ」
「俺はひっきーじゃありませんー。ちゃんとゲーム買いに行ったりコミケ行ったり銀行とか郵便局行ったりで外に出てるもーん」
「…なんかムカついてきた」
「ちょ、俺の竹輪！これ好きなのに酷いぃっ！ちよちゃんの莫迦ーっ」
「…喧嘩売ってんのか、……みゆきちゃん？なぁ、みゆきちゃん、その喧嘩買ってやろうかみゆきちゃん、どうしたみゆきちゃ…」
「ぎゃーっ！勘弁してっ、ごめん千代！」
「分かってくれて嬉しいぜ、美幸」
まあ、こういう関係も案外楽しいものだ。
だから、仕事で疲れた時に居間でぐーだらしてるあいつを見ると踏みたくはなるが（そしてゲームの所為で完徹して倒れた奴の看病をしなくていけなくなるとぶん殴りたくなるが）この家を出ようとは思わない。
これから先、奴か俺に彼女が出来たら別だが。残念ながら今は忙しい俺と、ひきこもりの奴にその予定は当分なさそうだ。
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