「足立さんとは上手くいってんの?」 そう聞いた時の相棒の顔、やたら慌てて困惑して。 階段踏み外しそうになってんの。 すげー可愛かったけど、ああ、こいつ、足立さんとどんどん進展してるんだなぁ。って思ったら、ざあざあ降りしきる雨空の如く、心がどんより曇っていった。 気付いたら告白紛いな事してて、まぁぶっちゃけそれも相棒のお陰で晴れたんだけど。 僕は雨の中で唄っている ただ雨の中で唄っているだけさ なんて素敵な気分なんだろう また幸せになれたんだ 僕は雨雲に笑いかける 空は暗く曇っているけれど 僕の心にはお日様が照ってる 新しい恋にはぴったりだ このあたりまで歌われて、おいちょっとまて。と。 新しい恋って、俺はたった今お前にフラれたんだっつーの。 「歌はアレなんだな」 仕返しのつもりでそう言ってやったら呆然としてんの。 ははは!ざまーみろ。 足立さんともカラオケ行かない、目の前で歌ったこともないってなりゃ、相棒の歌声を知ってるのは俺だけ。 やたらテンションあがってにやける顔を抑えることが出来なかった。 歌はアレ。とか言ったけど。 そう言っておけば、人前で歌う事も減るだろう。 相棒の歌声を知ってるのは俺だけ。 全然音痴なんかじゃなかったんだけどな。 |