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◆2012.09月拍手用(ヌシ釣り)

「あれ?そんな格好でどうしたの?ハーフパンツなんて珍しいね」

「あ、足立さん!ちょうどいいところに!釣りに行きませんか?」

「今から釣り?鮫川?」

「はい。ヌシを釣るんです」

「へぇー、鮫川にヌシがいるの?」

「ずっと挑んでいるんですが、なかなか…」

「ずっと、って、まさかここ数年…?」

「強いんです。いつもバレちゃって。だから、足立さんにひっぱってもらいたいんです」

「ええー。万が一落ちたりしたら、もうそろそろ川の水は冷たいんじゃないの?」

「冷たいです。死ぬかと思いました」

「実行済みなの…。そんな川に落ちたくないよー。もっと家でまったりー、とか、遠出して遊園地デートとかさぁ…」

「今年こそ釣りたいんです!そりゃもう大きいんですよ!ヌシ!全貌をまじまじと見てみたいじゃないですか!」

(こうなると頑固だなぁ、この子は…)

「それに、足立さんにひっぱってもらえたら、いけそうなき気がするんです!落ちるときは手、離してもいいですから!」

「出来るわけないじゃない!君一人を水に濡らすなんて………ん?」

「どうかしましたか?」

(半袖短パンで釣り。水に落ちたらあられもない格好でびしょびしょになるわけかぁ。可哀想だけど可愛いんだろうなぁ)

「足立さん?」

「あ、あぁ、いやいや。まぁ、もう帰るところだったし、少しくらいならいいかな。アタリがきたら君を引っ張っていればいいんだよね?」

「はい!よかったぁ、俺ひとりだったらまたバレるか落ちるかしてたと思います」

「そういうのは釣れてから言おうねー」

「あ、そうか。釣れない可能性もあるんだな…。でも!今日はきっと大丈夫です!足立さんもいるし!」

(そんな意気込まれたら、君を落とそうとしてる僕はどうしたらいいの…。)

「じゃあ行きましょう!」


その後、ぬしの引きの強さに、二人揃って川に転落。

前日の雨のせいか、思っていた以上の川の流れの速さにもがきつつ、水も滴るなんとやらを拝むために必死で這い上がったはいいが、水の冷たさでガクガク震えるわ、日の落ちた暗さで全然良く見えなかったとかなんとか。




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あきゅろす。
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