「こんにちは、足立さん」 「んー、こんにちは」 「今日はバレンタインなので、チョコ作ってきました」 「うん、ありがとう」 「あれ、反応薄いですね」 「いやー、そんなことないよ。嬉しいよ、ありがとう」 「やっぱり薄い。いつもならもっとこう…。もしかして俺の事嫌いになりました？」 「なっ！ならないよ！何言ってんの！この世が終わってもそれはないね！」 「そうですか…。まぁ、チョコレートくらいで大騒ぎしませんよね。大人は」 「何か言葉の端々にチクチクとしたものを感じるよ…」 「開けてくれないんですか？」 「だってもったいないじゃない。こんな薄ーい反応でも、すごーく嬉しいんだから」 「それならもっと嬉しさを表現してくださいよ」 「はいはい、わー！チョコレート嬉しいなー！」 「嘘っぽい」 「気持ちは凄く嬉しいんだってば。じゃあ開けようかな」 「はい、是非」 「君ってほんと凝ったことするよねぇ。律儀と言うか何と言うか……お、トリュフ？」 「あまり大きいものだと渡しにくいので、小さいものにしました」 「へー、すごい。ん、さっすが、美味しい！売ってるチョコレートみたいだよ！」 「喜んでもらえて良かったです」 「お返しは何が良いかなー。んー…」 「今からお返しの事ですか。あ、ほら、チョコついてますよ」 「ん、ごめん、どこ？」 「ここ、口元に……んっ！」 「んー…、は。取れたかな？」 「いきなりキスとか…誰か通ったらどうするんですか…」 「いやー、あはは。美味しさをお裾分けしようかなーって……あ、れ？」 「…………」 「なにこれ、なに！？なんなの！？箱の底から何か出てきたけど…！」 「誕生日プレゼント、です。あの、お揃い…で」 「……………」 「い、嫌ならつけなくていいですから！あの、ほら、誕生日、俺も2月だから、バレンタインは二人分祝うにはちょうどいいかなって。それで…その。嫌…ですか…？」 「そんなことあるわけないじゃない！嬉しいよ！もう凄く！！ペアリング！一生外さないから！」 「いや、せめてお風呂とかは外してください！」 「まさか君からペアリング貰うなんて…。君は僕の誕生日忘れてるとか、祝ってくれないのかーとか考えてた僕がバカだったよ」 「も、もしかして、それで反応薄かったんですか？」 「あー、うん。でもバレンタインはくれるから、なんなのって思ったんだよ」 「すみません。来年はちゃんと1日に誕生日やりますか？」 「ううん、君と合同誕生日なら、いつもバレンタインでいいよ。誕生日過ぎても誕生日気分でいられるしね」 「よかったです。また来年、一緒に誕生日しましょうね」 Happy Valentine！ |
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