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「へぇ、悠くんて女の子の友達に手料理とか作ってもらえるんだねぇ」

「作ってもらえる…と言うか…毒味というか…」



疲労困憊で白鐘直斗救出の為のラボを途中で切り上げ、重たい体を引きずるように明日の弁当の材料を買いにジュネスの食品売り場へ寄ると、今日の勤務を終えたのか、はたまたいつもの『休憩』という名のサボリなのか。
野菜売り場付近で足立さんに遭遇した。
(またキャベツでも買いに来たのだろうか)

今度また弁当作りますよ。
なんて話をしていると、名前を呼ばれた気がして振り返る。
千枝と帰ったと思っていた雪子が小走りで近付いてきていた。

「ん、あれ。天城屋の」
「雪子?千枝と帰ったのかと…」
「これ、あの…さっき渡しそびれちゃって。また感想聞かせてほしいと思って作ってきたの」

そう言って渡された紫と白のグラデーションが綺麗な、風呂敷に包まれたタッパー。
中身の大方の予想はついたけど、嫌な想像は頭から振り払い、ありがとうと礼を言うと、雪子の頬が少し赤に染まった気がした。

「そっ、そんな。おっ…お礼を言うのは私の方なのに。…あ、ごめんね、お邪魔しちゃったよね」

別にそんな事…と言おうとした時、足立さんが妙なスピードで口を挟んできた。

「僕の事は気にしなくていいよー。悠くんとはたまたま会っただけなんだし。て言うかお邪魔は僕の方かなー?はははっ」
「いえ!私ももう帰りますから。じゃあ、また明日ね、鳴上くん。足立さん、さようなら」
「あ…うん」

そう言うと小さく手を振ってから、雪子は足早にジュネスの出口へと向かって行った。

「ふぅん?何?手料理?」
「まぁ…そんなとこです」

料理と呼べるかは怪しいけども、一応雪子が作った料理だろう。
ここで冒頭の会話に戻るわけだけど…。




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あきゅろす。
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