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「あぁ‥わっかりました…」
そしてマネージャーからかかってきた電話を切る。
今何時かおわかり?
深夜1時ですよ。
正直俺もさっき映画の撮影終わって12時に帰ってきましたけども。
家に着いてさぁ寝ようかとしていたときにマネージャーから電話が掛かってきて…
『えっ?酔ってる?』
『撮影に使った赤ワイン共演者とスタッフで飲んでたみたいで、亀梨に電話したら酔っててさ…;』
『あれ、でも現場にいるんじゃ…』
『いや、それが娘がインフルエンザにかかってて、嫁さんも移っちゃって俺が看病しなくちゃいけなくなっちゃって途中で帰ってきたんだよ…;赤西も明日早いだろうけど、頼んでいいか?;』
『あぁ‥わっかりました…』
『ほんとごめんなっ!んじゃぁ』
少し慌てたようにマネージャーは電話を切った。
マネージャーも俺たちの関係に多少理解がある人だから、俺に連絡をよこしたんだろう。
寝間着のスエットの上にダウンを羽織ってサングラスをかけ、車のキーだけ持ってサンダルで家を出た。
駐車場までくれば即座に車に乗り込みエンジンを吹かして出発。
正直『酔ってる』って聞かされたときから心配でたまらない。冷静な顔してるけど、頭ン中じゃもういろんな妄想をしてしまう。
亀は酔うと甘える癖がある。普段は俺にしか見せないような表情や仕草だって、酒で酔えばたちまち大盤振る舞いで、“みんなの亀梨和也”になってしまう。共演者の芸人やプライベートでの俺の友達男女関係なく、酔っている亀を目の前にして何人が下心丸見えで近づいてきたか。
特に男なんか、舐め回すような視線で亀を見やがる。
素の亀は、正直言って女の子だ。
だから、心配だし、俺がいないところでそんなふうになられてるなんて思えば思うほど、嫉妬の炎がじわじわ燃える。
「酔うまで飲んでんじゃねーよ…」
そう呟いて舌打ちした。
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