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ごみ箱にたまってたゴミを片付けて、布団を干して、掃除機かけて洗濯して…


前までは一人暮しじゃなかったから、家事がこんなに重労働だなんて思いもしなかった。


一通り掃除が終わって、ふとデスクの上を見ると出しっぱなしにしてあったアクセサリーケースから、いつの間にか増えたアクセサリーが溢れかえっていた。


「聖みたいにショーケース買おうかな…」


そう呟きながら絡まったネックレスとかを一つずつ解いていた。


「ぁ‥、ピンキー…」


赤西とペアのピンキー。
野ブタ。以降ほとんどと言っていい程しなくなった。

野ブタ。の前もはずしてた。
でもあれは自分達の意思じゃなくて、事務所からの命令で渋々はずした。

そしたら野ブタ。が決まってから赤西が…




『あんさぁ、』

『ん?』

『お前、野ブタの時…』

『なんだよ』

『‥っピンキーつけてろ』

『は…?なんで…?』

『だからさ…あの〜‥っいいからつけてけ』

『?だからなんで。』

『っ……あーもーだからぴぃがいるから心配なの!』

『っ……わかった‥じゃあつける(修二ってピンキーつけるような奴じゃないんだけどな…)』




あの時は本当に素直に嬉しかった。
本人の前では素っ気なくしてたけど…。

でもその後。

デビューした後から、赤西は変わった。


だから今度は…
自分の意思ではずした。


アクセサリーの中に埋もれていたピンキーを取り出して、小指にはめてみた。

小指のサイズなんて知らないはずなのに、赤西が買ってきたこのピンキーリングは、俺の小指にピッタリのサイズで二人でビックリしてた。

思い出すたびに、
嬉しくなる。



なぜだか、涙が零れた…


「っ…はぁ‥よしっ」


ピンキーはそのまま指にはめて、赤西の大好きなパスタを作ってやろうと台所に立った。




ピンキーをはめていることにビックリして、俺が「仁」って呼んだことにまたビックリして、料理を見て抱きついてきて、「好きだ」と言う彼が安易に想像できて、思わず顔が綻んだ。



そして

仁がつけてきたピンキーリングに

自分もビックリすることになるのは

もう少し後のこと…。




             END


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