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「ん゛ー‥赤西?っどしたの?」

「んっ!?ゃ、うぅん!何でもない!」


あーよかった。
バレてない…。


「っあれ、皆は?」

「あ、もうすぐリハだから、亀起こしてから来いって」

「え…あ、ゴメン。行こっか」

「ぁ、ちょっと待って!」

「ん?」

「あの‥さ。…亀のファーストキスって、いつだった?」

「はぁ?何それ(笑)‥ぁ、てかお前覚えてないの!?」

「は…?」

「信じらんない…。あの俺の屈辱的なファーストキス」

「?…意味わかんないけど…。」

「本っ当に覚えてないんだ……最悪」


そういって楽屋を出て行こうとした。


「ちょちょっ…!まってよ!何っ、おしえろよ」

「っ…ハァ…。お前だよ、ファーストキス」

「‥‥‥‥ぇえっ!?」

「お前が酔った勢いで、何思ったか俺に迫って来て無理矢理キスしたんだろがっ…。」

「まっ…まじ?」

「…‥ディープキスまでしたくせに………本っ当最低」





俺、何してんだよ!

当時の俺!!!


しかも亀怒らせて…。




『お前向こう行っちゃってから、一番頑張ってたの亀だし。お前帰って来て安心したんじゃね?』



聖の言葉が、グサッと刺さった。




「っ‥‥───」




楽屋を出て行こうとする亀の後ろ姿を見たら、
昨日のシーンを思い出した。




体がスッと
勝手に動いて…──




―グッ


「っ?なんっ……───」

















楽屋のドアに
背を向けさせて、


少し屈んで、

覗き込むようにして、




亀にキスした。




.

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