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「それは俺にはできない…。和也の人生を、俺が変えちゃいけない。それに…今の仕事ほっては、お前の性格上無理っしょ?」
「っ…」
「だからさ、俺向こうでいっぱい勉強してすっげぇ格好良くなって帰ってくるから、お互い頑張ろうぜ。辛くなったら、電話でも手紙でも、よこせばいいからさ……」
「うん…」
「キスとか、sexはできないけど、俺等、その程度の関係じゃないっしょ?」
「ぅん」
「俺ずっと和也のこと想ってるから」
「…浮気すんなよ」
「バーカ。和也以上なんてこの世に存在しません(笑)」
「バカ西…//」
「亀絶対今真っ赤だろ?(笑)」
「っうるさぃ…//」
仁は何でもわかるんだね。
「ねぇ、仁」
「ん?」
「詳しい日取り決まったら教えて?俺、見送るから」
「わかった。仕事、頑張れよ?」
「うん」
「おやすみ」
「おやすみ……」
―ピッ…───
電話を切った。
涙の筋に、寒さの交じった夜風があたって、気持ち良かった。
雲の中の今にも消えそうな三日月が、空に浮かんでいた。
そっと手を伸ばして
ギュッと握りしめた。
なんだか切なくて、虚しくて、
涙がまた、零れ落ちた…。
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