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俺はホテルの亀が行きそうな場所を駆けずり回った。




「っはぁ…はぁっ‥っ…ったくどこ行ったんだよ…。」


結局一階のロビーまで下りてきた。



外では大雨が降ってて、ホテルのロビーと中庭を隔てる巨大な硝子に激しく雨が打ちつけられていた。

俺は硝子に近づいて空を見上げた。


「わぁ〜…すげぇ雨っ…かめ……。」



中庭のベンチに座りながら、膝抱えてぼぉ〜っとしてる亀の姿があった。


1人で、傷ついてた。



あまりに痛々しくて、

目を逸らしてしまった。



その場から一旦離れ、ロビーのホテルマンから傘を借りた。











─ザー…




雨の中、

雨音がうるさ過ぎて俺の足音は完全に掻き消されて、俺が真後ろに立っても亀は気付かなかった。


だけど俺には、

歌う亀の声が

微かに聞こえた。




「何を信じればー、明日へゆけるだろー。」





また胸が痛くなった。




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あきゅろす。
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