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「仁の事、忘れようとした。壁に飾ってあった写真とか、捨てようとした。…赤西って呼んだら、いつか、付き合ってた事も良い思い出になるかなって………‥っでも、やっぱり無理だったっ…」



亀の声が、震える。



「仁といた時間が、長すぎたっ…っ‥楽しすぎて、っ」





振り返ったら、





キラキラ光る雫が、





布団を握り締めている



手の甲に落ちていた。




「ぉ、れっ…仁のっこと…‥‥まっ、だ」











戸惑いなんかなかった。










ぎゅっ












「っ……じっ‥ん」

「俺もう泣かせたくないよ…ずっとずっと後悔してた。亀傷つけたこと。亀をあんなふうに笑わせたこと。亀が段々やつれてくからすげぇ不安で、すげぇ罪悪感あって、でも何もしてやれない自分が悔しくて、まわりに少し八つ当たりしてた。亀が…いいなら……また、俺だけのものにしていい?…俺、亀が好き。」

「っ……スキっ…‥仁が、好き‥…」



亀が俺の肩に顔を埋めて泣き出した。



「だから泣くなよ(笑)」

「ぅ、…ヒッ‥ぅれっしっ…ック‥なっ…だっ!」










嬉し涙。

だからいいの。



そう言った。

















一億の人の中一つ

君という居場所

見つけたよ

窮屈なら

上着脱げばいい

寄り添えば

そこにいるよ



もう君を

離したりはしない

冷え切ってしまった

両手を

包んで

温め直そう




             END

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