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**τ**



「ほな、帰るわぁ〜!」


村上君の明るい挨拶。

あれから打ち上げが終わって、今はエイトのみんなが大阪に帰るから挨拶してる。

亀が部屋に戻って2時間が経っていた。


「すばるくん俺の家ある場所忘れないでくださいよ!」

「だって聖のとこ解りにくいねんもん。またわからんくなったら聞くわ」

「ほななぁ〜」



「赤西、」

「ん?」

「亀起こして来いよ。」

「あ、ぁ〜ぅん。」


上田に言われるなんて思ってなかったからちょっとビックリした。




―ピー、ガチャン



「亀ぇ?もう皆帰ん‥ぞ…」


亀の長くて濃い睫は濡れていて、枕はシミがいくつも重なって大きなシミを一つ作っていた。


「亀、どうした…?」


寝てるから返事は返ってくるはずないんだけど、目頭を濡らしてる涙を人差し指で拭いながら聞いた。


「っ…んぅ、」

「っ!?」

「……‥ん」


亀が眉間にシワを寄せて反応を示したからビックリした。


「亀…?」

「…‥じん‥‥…」



ポタ…



俺の名前を呼んだあと

涙が枕を濡らした。



久しぶりに

「仁」って呼んだ…



思わず笑みが零れた



「亀…泣かないでよ…もう俺のことで泣かせたくないよ…‥俺期待しち「好き」ゃう‥し…‥」





嘘だろ?





そんな都合のいい話、あっていいわけない。





ポタっ…





俺の頬を

熱いものが伝った。



「っ…‥?…‥‥じん?」


まだ亀は寝ぼけてて夢と錯覚してるみたいだった。


「亀、なんの夢見てたんだよ(笑)泣いてたよ?」

「っ!?…赤!に‥し………泣いてんの?」


亀が不安げな顔して見つめてきた。


そんな顔すんなよ。


「ばぁーか。あくびだよあくび。……‥‥…なぁ、亀。」





何考えてんだよ俺。





「…何?」





もう解り切った事じゃん





「ぴぃのことさぁ、」





でも…

「好き」って言った

あの声は

唇は

まだ俺のモノなのかもしれないって

期待して

良いよな…?





「まじで好きなの?」




.

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あきゅろす。
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