[携帯モード] [URL送信]
page2



「…‥──っ!っはぁっ!っぁ‥クッ…」



またいつもの発作。

突発的に起こるもので、薬を飲めばすぐ治まる。

朦朧としかける意識の中、震える手で小さな棚から薬を手にとる。


「っ…フッ…くっ‥はぁっ、ぁ…」


手のひらから薬が落ちる。


発作が起きるたび、確信する。


発作が酷くなってること。


死ぬのが近いこと。






―ガラッ



「!和也君!?先生!先生!!」








「──‥…っ?」

「和也君、気付いたかい?」

「なるべく車椅子を使ってってこないだ言ったばかりじゃない」

「ごめんなさぃ…」

「まぁまぁ。とりあえず大事に至らなくて良かったじゃないか。…和也君?」

「はい…。」

「君がこの病院に入院したときに、隠さずに君の症状を話してほしいといったから、話すよ。」

「はぃ。」

「あと、1回か2回また発作が起きれば、君の命は……途絶えてしまう。」

「……」

「だから医者として、もう外出させることは…」

「っあと1回だけでいいですから‥っ!‥はぁ…」

「………分かった。あと、1回だけだよ?」

「ありがとうございます……」



金木犀の花が見れるのは、あと1回だけ。




.

[*前へ][次へ#]

2/5ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!