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今度急にいなくなる時は
何も要らないよ。
Letters。・゜.+
亀と出逢ったのは
金木犀が香る
一際肌寒い日だった。
オレンジの夕日と
重なる君の横顔。
とても綺麗だったことを
今でも覚えてる。
君は喋れなかった。
だから俺らの会話は
いつも筆談だった。
“おはよう”
“おはよう”
“朝ちゃんと食った?”
“食べてない”
“ホント食べないと倒れるぞ!?”
“お腹空かない”
“そんなこと言ってたら死ぬよ?”
その紙を見た君はとても冷たい寂しい瞳をしたね。
そして
「此処に存在している意味が解らない」
そう云った。
「だから生きてても死んでも同じだ」
と。
君の瞳は完全に冷えきっていた。
「…一緒じゃねぇよ。」
「?」
「お前は一緒かもしんねぇけど、俺はお前いないと…ぃなぃと…‥」
一人にしたら消えてしまいそうだったから、思わず抱きしめてしまった。
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