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―ガチャッ!


家政婦「っ、竜坊ちゃま‥!?」


―バン!!


竜「っはぁっはぁ…」



隼人から走って逃げてきた。
嘘なんか付きやがって…。



『ってか他の奴の手作り食っても意味ないし!!』



って言ったくせに。



あぁ‥

暖房つけっぱなしだからチョコドロドロじゃん…。



竜「・・・。」


カーペットに転がったまんまのトリュフに近づいてひとつ掴んで食べた…。


甘いのに苦くて…

すごく泣きたくなった。



























―ピーンポーン


家政婦『はい?』

隼「何度もすいません。竜、いますか?」

家政婦『・・・』


―ガチャ


開けてくれねぇのかなって思ってたらゆっくり扉が開いた。


隼「ぁ…お邪魔します」


ゆっくり二階に上がって竜の部屋のドアを開けると竜がカーペットにへたれこんでた。


隼「…りゅう?」

竜「……」


竜が振り返ると竜の瞳から涙が零れた。


隼「竜っ…!」


―ギュッ


竜「はなっせ…」

隼「嫌だ。あのチョコ俺のじゃねぇんだよ。拓に渡してくれって頼まれたんだよ…本当に。」

竜「っ…」

隼「ごめん。紛らわしいことして…竜が作ってくれてるなんて思ってなかったし…あれ、竜が作ったんだろ?」

竜「…」


黙って竜が頷いた。


竜「でももうドロドロ」

隼「関係ねぇよ。」


すると隼人は俺を押し倒して、
俺の横にあるトリュフをひとつ摘んだ。


隼「食べていい?」

竜「好きにしっんぅ‥ッ‥んっ…」


ビタートリュフなのに苦みは全然感じなかった。

じわぁ〜っとトリュフが溶けて、口の中が甘さで包まれた。


竜「っん…」

隼「美味しかった」

竜「っ…馬鹿//」

隼「もう一個食べたいvV」

竜「っ…今日だけだからな…」

隼「なぁ…」

竜「なんだよ…」

隼「来年も作ってな?」

竜「…うん」













甘い

甘い


          bitterな日…―


























次の日、隼人がヤンクミにガンガンに怒鳴られたのは言うまでもない…。




               end


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