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「んっ…?」



自然に開いた瞼を擦った。




「っ!?なっで…ここ…」





目覚めた場所は…

山口が学校に来るまで、俺が働いていたクラブ…






「竜ちゃんお目覚め?」


ビクッ


「っ何で俺…」

「はぁ?(笑)何言ってんの〜自分から帰ってきた癖に」

「!?嘘だ…っ。隼人っ‥隼人!」

「まぁまぁ、俺達が遊んでやっからよぉ!」



ブチッ…!


シャツのボタンが弾け飛ぶ。



「嫌だ‥!ゃめっ…!っ隼人!…ッ‥隼人‥――っ!!」
























「竜っ!!」

「!!‥ッ‥はっ、ゃと…っはぁ‥はぁっ」


気が付くと、すげぇ心配そうな顔して、
俺の肩をきつく掴んでる隼人の姿があった。



俺は夢を見てたらしい…。




グイッ




「っ、…りゅう?」




俺は「抱きつく」と言うめったにしない行為を気付かないうちにやっていた。





「っどした?お前らしくないじゃん…」





優しい声。

温かい手。



「っ…誰も助けてくんなくて‥ッ‥怖かっ、た…」


自分でも、自分の口からこんな素直な言葉が出るなんて思いもしなかった。

顔が熱くなった。

多分、赤いんだと思う。

でもしがみついてるから
隼人には見えてないだろう…




「助けてあげたじゃん。‥この隼人王子が(笑)」



隼人が俺から距離を少し置いて
俺の目をまっすぐ見つめて優しく微笑みながら云った。



「お前王子って柄じゃねぇだろ。ガキ大将ぐらいじゃね」

「え〜竜ちゃんひ〜ど〜いぃ〜」

「キモい」

「なんだよ、さっきまで素直だったくせに」

「お前がふざけるからだろ(笑)」





でも






「隼人…」

「ん?」

「…ありがとう」





ちゅっ




「当たり前…何時でも傍にいる、助けてやるから‥」






不器用でごめん。

素直じゃなくてごめん。

「なんでもねぇ」って
すぐ言っちゃってごめん。

たまには素直に…


笑ってやろうかな…




.

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