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ギュッと強く抱き締め直す。
亀は何の抵抗もしなかった。
「俺ねー、実はスゲー後悔してんの。浮気しちゃったこと。亀がいなくなってからね?亀の存在の大きさに気付いたんだ。」
「…んで」
「え?」
──ばっ!
「ふざけんなっ!何今更!!今更あやまったって遅すぎなんだけど!ってか何であやまんのっ!?笑 好きじゃないから浮気したんだろ?違うの?」
「だから、亀を失くして気付いたんだって。俺は…亀が好きだよ。」
「何、言って「また亀、傷つくの?本当はわかってんだろ?仁の心が離れていってんの。」」
「…‥っ」
「ぁ〜ごめん。こんな重くするつもりなかったんだけど。こっちむきぃ〜んしゃいっ。」
あ〜ぁ。
また泣かせちゃった。
親指の腹で亀の涙を拭ってやった。
「かめぇ?もっと自分大切にしないとダメじゃん」
「だっ…て、好きなんだもん…。」
「じゃ〜僕と浮気してみませんかっ!」
「…は?」
涙で潤んだ目でキョトンと見つめてきた。
「うわき…?」
「Yes!UWAKI〜!」
「何言ってんの!?しないよ!」
「だってムカつくじゃん?ま、いーからいーから♪」
「ぴぃ!ちょ、」
両手首をつかんで亀をベッドに押し倒す。
あー久しぶり。
亀の首筋に顔を埋めてキツく口唇を押し当てる。
白い肌に
深紅の華が咲く
「はいっ、浮気の第一歩ぉ〜♪」
「まじサイアク…」
オデコ押さえて特大溜め息を吐いた。
数日後、
仁に抱えられて楽屋に来たそうな。
俺は仁と亀からガミガミ怒られました。
結局、
いい人止まりな俺。
切ない白い息だけが
俺の心に残った。
END.
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