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今日の彼は、ヒドく機嫌が良い。







「上田ぁ〜?」

「ん〜?」

「どうしたの?」






今日は少クラの収録でゲストが上田なんだけど、今日は随分と機嫌が良い。

楽屋に小山がいるのにも関わらず、手タレになれるとメンバーに太鼓判を押された俺の自慢の手を構って遊んでいる。


「いや別にぃ〜?」



そういって喋る上田の顔は、ニヒルな微笑みを浮かべていた。


…気になる。



「いや、絶対なんかあった。」

「そうかなぁ〜」

「(そうかなって…;;)教えてくんないんならチューするよ?」


珍しく強気に出た俺に、上田はギョッとしてた。


「…──だってさ、人前で堂々と「愛してる」何て言える機会、もうないんじゃないかって思って」

「っ……」


そう言った上田の声色は、嬉しそうに感じた。

そういえば、今日は二人だけで『喜びの歌』を歌うんだっけ…。

歌詞には沢山「愛してる」ってフレーズがある。

だけどフッと見たその表情は、どこか切なそうな顔だった。


なんだか胸が押し潰されそうになったから、上田の頭を引き寄せて自分の顔を髪の毛に押し付けて、声が震えそうになるのを堪えて言った。


「そうだなー」


こんなの人前なんかでしたら絶対怒って鳩尾に拳が飛んでくるのに、今日は怒らない。


「中丸…?」

「ん?」

「…‥──キスしたい‥って言ったらビックリする?」

「・・・」




あまりの驚きに
固まってしまった。



本当にこの子

どうしたの…。




「ぃ、いいの…?して」

「うん、したい。」



やばい、
今最上級に甘えてる。

鼻血が止まんないかも。

するとこっちに顔を向けて、ゆっくり目を閉じると「んっ」といって準備した。


えっなになに?
お酒入ってる?この子。

そう思いながら、グッと近づいた。










「ちょぉ〜っとまったー!」

「「っ?」」

「俺いるの忘れないでくれない?」

「あっ…」



小山の存在、忘れてた…




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