居酒屋で恋して
居酒屋で恋して 1
高校2年生の僕、高山千尋は居酒屋でバイトを始めてから1ヶ月あまり経つ。
週に2、3日シフトに入っているから結構ハードだけど、好きな人が一緒に働いているから全然平気!
「チィ、エビマヨ2皿あがったぞ!」
「ハーイ、今行きます!」
僕は急いで取りに行って、店長からお皿を受け取ろうと腕を伸ばした。
「チィ、あわてなくていいから。気を付けて運べよ。」
小声で耳元で話してくれると、僕は嬉しくなって、天にも昇るような気持ちになる!
「はい!」
この居酒屋で働き始めたきっかけは、最初兄さんが居酒屋で働いていたんだけど今年就職したので成り行きで僕が働くことになったんだ。
兄さんには本当に感謝してる。
だって、店長の柏崎 颯人さんに出会えたんだもの♪
颯人さんはモデル並に格好良くて、男らしくて優しくて、笑顔が最高に素敵!!な人なんだ。
それにバイトが辛くないかとか、勉強に支障がないかとか常に声をかけてくれるし。
あぁ、颯人さんが好き!
だから一緒に働けるから、とっても幸せ♪
「チィちゃーん、こっち来てよ、オーダー取って!」
「ハーイ。すぐ行きます!」
恋する乙女モードをしばし置いといて、仕事に励まなければ。
「お客様、ご注文をどうぞ!」
僕は笑顔をお客様に向け、注文を聴こうとした。
「チィちゃんはいつも明るくて元気だね。仕事のストレスが癒されるよ!」
「そうそう。それに可愛いしね、娘に欲しいよ。」
僕は真っ赤になってから反論した。
「僕は男です!」
常連のサラリーマンの人達には、こうやって良くからかわれる。
毎度のことで慣れればいいのに、可愛いとか女の子扱いされると恥ずかしくてしょうがない。
「ハハハ。チィちゃん怒んないでよ。看板娘がそんな顔してると、お客さんが減っちゃうよ。」
もう!
僕はプンプンに怒っていたけど、他のお客様も会話に入って気だしてお店が笑いに包まれていた。
「チィちゃん、笑顔出して!」
「可愛い顔が台無しだよ!」
はぁ。
全くオジさん達には敵わないよ。
僕は気を取り直してからオーダーを取っていった。
カウンターに戻ると颯人さんが笑顔で出迎えてくれた。
「チィ、ご苦労さん。少し休憩するか?」
颯人さんのその一言で、お調子者の僕は元気が戻ってきた。
「大丈夫です!ラストまで頑張ります!」
颯人さんは僕の頭の上にポンと手を置いてから。
「無理するなよ?」
「はい!」
僕は飛びっきりの笑顔で颯人さんに答えた。
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