鳳凰の宮学園
ランチ 3
初めて入った食堂は、まるでテレビや雑誌に出てくるような内装の綺麗な、お洒落な場所だった。
テーブルも椅子もアンティークかなぁ?
照明まで凝ってる。
有名なインテリアデザイナーに頼んだのかな?
田嶋君が食堂のシステムやメニューの場所を案内してくれることになった。
「メニューはこの場所にあるし、部屋にあるパソコンからも毎日更新されたのが見れるんや。思わぬ一品が食べれるかもしれんし、限定メニューもあるから時々チェックしたらエエで。」
僕は田嶋君をまじまじと見てしまった。
だって、関西弁で喋ってる!
今朝は標準語だったのに。
「田嶋君、関西の人だったの?」
「おっ?そうや!学園におる時は標準語で喋っとるからな。オカンが煩いねん。社会に出た時に標準語話せるようになっとかなあかんて。別にエエと思えへん?」
「そうだよね。でも今朝は全然関西の人なんて分からなかった。完璧だったよ!」
僕がそう言うと田嶋君は、はにかんだように笑った。
「ヘヘッ。領ちんにそう言われたら照れるし。」
領ちん。
ちょ、ちょっと慣れないような気がするけど、まっ、いっか。
「領ちん、食べるモン決まったらカードをこのATMみたいな機械に入れて頼むんや。大体の奴等は予約しとるから素通りやけどな。」
す、凄い!
この学園は学食で予約まで出来るんだ!
流石お金持ち学校!
「領ちん、決まったか?」
僕はメニューを見て呆然としていた。
何で学食にキャビアが・・・トリュフがあるの?
し、しかも値段も半端なく高い。
この食事を頂く学生がいるんだろうか?
「固まってるな。おーい領ちん、聞こえてるかー?」
田嶋君が僕のほっぺたをつついた。
「あっ!田嶋君。このメニュー凄過ぎるよ。食べる人いるの?」
「ワハハハ!領ちん、この学園の半分以上は金持ちやで。おるに決まっとるやんか!」
そ、そっかぁ。
そうだよね。
僕ってバカ。
えっ?
あっ!
ちょっと待って。
言われてみれば、今朝の食事って龍弥君の奢り?だよね。
僕は体から血の気が引いてきた。
どうしよう〜。
龍弥君に、年下の子に、奢らせてしまうなんてぇ〜!?
明日合わす顔がないよぉ〜。
龍弥君ごめんなさい!
明日は僕が奢らせてもらうからね!
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