鳳凰の宮学園
久我山 蓮人 3
僕は久我山と向かいに座ってお茶を飲んでいる。
龍弥君や河上君達が知ったらどんな顔をするだろう?
「お前さぁ、俺の事見て、気持ち悪くならないの?」
突然久我山が切り出した。
「えっ?なんで・・・あっー!」
久我山が耳を塞ぐくらい、大きな声が出た。
「な、なんて声だよ。よくそんな大きな声が出るな。」
僕は恥ずかしくなって俯いた。
久我山が悪いんだ。
昨日の事を思い出させるから。
「んで、どうなんだよ。昨日、そのぉ、生で見ちまっただろ?」
思い出すと気持ち悪くなる。
僕が童貞だからだろうか?
sexに夢を持ちすぎなのかなぁ?
好きな女の子と愛し合って、その後・・・。
僕は真っ赤になるのが解った。
だから、あんなに生々しいとは思わなかった。
はぁ。
溜め息がでた。
「悪ぃな。」
久我山がバツが悪そうに誤る。
そんなにシレッとされると・・・。
なんか子犬みたいで可愛い。
僕は久我山の顔をマジマジと見た。
うわぁ。
昨日は目付きの悪い不良だと思ってたけど、こうやって真正面から見てみると、かなりの美形だぁ。
親衛隊が出来るのが解る。
はっ。
あんまり近付かない方がいいって言われたっけ。
でも、同室者だしお茶を飲むぐらい良いよね。
「柊木、お前、何クラスなんだ?」
「Sクラスだよ。久我山は?」
「俺はX。」
へぇ。
Xなんだ。
あれ。
Xって、不良クラスだ。
それなのに親衛隊がいるんだ。
久我山ってモテるんだなぁ。
僕は感心して久我山を見つめた。
「柊木、そんなに見つめられると、襲いたくなるんだけどな。」
お、襲う?
殴るって事?
僕は思考がストップした。
そして目まぐるしく頭の回転が速くなって、椅子から立ち上がった。
その時、お茶が零れて僕の指にかかった。
「あつっ!」
すると咄嗟に久我山が僕の腕を取ってキッチンに連れて行き、水で冷やしてくれた。
「大丈夫か?」
「う、うん。ありがとう。」
しばらく水で冷やしていたら、久我山がポツリと言った。
「ほっせぇ腕だな。」
そう言ってから指にキスをしてきた。
僕はビックリして、指を離した。
そして久我山に怒りがわいてきた。
「離せ!変態!」
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