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鳳凰の宮学園
風紀委員 1


学園の正門が見えて来ると、生徒達が何だかザワザワしていて騒がしそうだ。



どうしたんだろう?



僕が背伸びをして人だかりを見ていると、寮長が楽しそうな声を出した。



「おっと!今日は風紀委員の検査があったんだな!和唯の奴いるかな?」



寮長も背伸びして輪の中心を見る。



「見えねぇな。まぁ順番を待つか。」



「寮長、風紀委員の検査があるんですか?」


僕は初めて受けるので寮長に質問してみた。



「ん?そうか柊木は初めて受けるんだったな。この学園は不定期に、いや変則的に風紀の検査をしているんだ。まぁ、普通にしてれば問題は無いんだが・・」



寮長が考え込む仕草をして黙る。

その姿も様になっていて格好良い。



「この学園には3大勢力ってのがあってな。鳳凰会、玄武会、白黎会っつう組織があるんだ。」



そ、組織ぃー?

それって、よく映画やドラマなんかである、裏の世界の秘密結社みたいな?

ボスやスナイパー、はたまた裏切り者や愛人とか出てきて・・・。

ま、まさか、・・・ね。

僕が空想の世界にいると、耳元で寮長の野太い声が聞こえてきた。



「おーい、柊木、トリップするな!戻ってこい。」



「す、すいません。」



「よし。組織つっても学生の組織だぞ、当たり前だけど。鳳凰会が生徒会・委員会諸々と寮長も含まれる、いわば公的機関てやつ。玄武会が鳳凰玄武を長とするエリートや不良の中でも頭と力のある奴等のグループ。白黎会は、上流階級のセレブの集まりだ。」



寮長は一旦話しを切り、溜め息を吐くみたいに呟いた。



「玄武会と白黎会が校内の規律を守らない奴が多くてな、それで風紀委員が取り締まっているんだが・・・。」



眉根をよせて悩む姿も男前度upだ。



「中々思うようにいかなくてな。」



僕はなんて言ったらいいのかわからなかったので黙っていた。

でも学園の中が大変で、寮長が心を痛めているのは分かった。



「柊木、暗くなるような事じゃないぞ!大なり小なり問題ってのは何処にだってあるんだ。それをどうやって乗り越えていくかを考えることが大切なんだからな。」



寮長の逞しい腕が僕の肩に置かれて、ニカッと笑顔で言われた。



「はい!」



寮長の力強い言葉と態度に僕は尊敬の眼差しを向けた。




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