鳳凰の宮学園
寮 1
僕はお城の外観をしばらく見つめてから、寮の中へ入ることにした。
入ってビックリ、目が点になった。
外観も豪華だったけど中身はもっと豪華だった。シャンデリアが、陶器の置物が、ライオン像がある!!
ス、スゴすぎる。僕、本当にこの学園に来て良かったのかなぁ。
パンフレットによると鳳凰の宮学園は高校教育では世界トップクラスだとか。その為、日本でも有数のお金持ちの息子、お坊っちゃまが来ているそうだ。勿論偏差値がいるけど。
頭が良くてもお金が無い生徒は奨学金で入れる。普通の学園だったらそこまでだが、この学園の凄い所は素行が悪くても、向学心がある生徒だと認められれば入学を許される。だから一筋縄ではいかない生徒の集まりになっている。
僕の場合、奨学金で入ったんだけど。うーん、肩が凝りそうなこの環境に慣れるんだろうか?
僕がエントランスで固まっていると、不意に声を掛けられた。
「君、其処で何してるの?」
振り向くと、このエントランスにピッタリ似合った外国人がいた。金髪・青い瞳、白い肌。まるで王子様だ。
「あ、あの今日からお世話になる柊木 領です。今着いたんですけど・・・」
「そうなの。じゃ。」
豪華な外国人は去って行った。
「・・・」
何だったんだろう、あの人は。さて、受付とかあるのかな?周囲を見回してから受付に気付いて、呼鈴があったので鳴らしてみた。するとしばらくして。
「はいはーい!ちょっと待っててね。」
飛びっきり明るい声が聞こえて来た。
「んっ!君誰?」
受付から出てきた人はそれは美しい人だった。茶色の長い髪を三編みに結っていて女性的なしっとりした印象がする。
「今日からこの寮にお世話になる柊木 領です。」
「あー!そうだった、そうだった。君が転校生の柊木 領君なんだね。僕は寮の管理を任せられている、本庄 鳴海 28才、独身でーす。これから宜しくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
管理人さんは僕をじーっと見て微笑んだ。
「部屋まで送って行くよ。」
「あ、はい、ありがとうございます。」
管理人の本庄さんは何故か嬉しそうに、違うな、楽しんでいる様子が伺えた。何でだろう?
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