鳳凰の宮学園
朝靄 3
「幸せ?」
「うん。龍弥君優しいし、思いやりがあるもの。」
「そっかぁ。領がそう言うなら俺自信もてそうだ。」
僕は龍弥君にそう言って貰え嬉しくなって微笑んだ。
そしたら龍弥君も笑顔を返してくれた。
僕達は朝食を食べる為にベッドから降りてテーブルに向かい、席についた。
龍弥君が注いでくれた紅茶の良い香りが漂ってきて鼻孔を擽る。
「セイロンティーだよ。ストレートで飲む?」
「ううん、お砂糖ひとつ。」
「OK!」
龍弥君がお砂糖を入れてから、かき混ぜてくれた。
僕はカップを受け取り、口に含む。
「美味しい♪」
「そう、良かった。トーストにバターぬる?」
「うん。あっ、自分でするよ。龍弥君貸して。」
僕はバターナイフを受け取ろうとしたんだけど、龍弥君が渡してくれずに。
「いいよ。俺がするから。」
龍弥君は笑顔でかわしてから、バターをぬってくれた。
いつもいつも僕に優しい龍弥君。
年上の僕を甘えさせてくれる。
僕は朝食を食べた後で、洗面所に行き服を着替えた。
昨日の内にズボンを洗濯してくれていたんだ。
上の服は龍弥君のを借りることに。
着てみると、やっぱ想像通り大きい。
「領、用意できた?」
「うん。龍弥君、服ありがとう。昨日も借りてるのに毎日ごめんね。」
「良いよ。服なんて大したことない。さぁ、寮へ戻ろう。」
龍弥君が優しく笑う。
その微笑んでる龍弥君が僕は好きだな。
なぜかホッとするんだ。
寮へ戻る時、龍弥君が手を繋いでくれて大きな掌が僕の手を包んでくれた。
あっという間に寮に着き、龍弥君と離れるのが寂しく感じられた。
「龍弥君送ってくれてありがとう。」
「どういたしまして。領、1人で部屋まで戻れる?」
龍弥君が心配してくれる。
「うん。大丈夫だよ。」
僕は龍弥君を安心させるように笑顔で答えた。
「領、何かあったらいつでも俺を呼べよ。これに俺の番号とメアド書いといたから。」
僕は嬉しくなって、龍弥君からメモを受け取って、勢い良く返事をした。
龍弥君はそれを楽しそうに聞いてくれて、僕は幸せな気分で部屋に戻って行った。
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