鳳凰の宮学園
朝靄 1
ふんわりふわふわ。
う〜ん。
今、宙に浮いてるのかなぁ?
まるで雲の中にいるみたいにふわふわしてて、柔らかい感じがする。
この温かい微睡みの中に包まれているなんて幸せだなぁ。
気持ちが良くて瞼が開いても暫くの間、動くことが出来なかった。
そして気付く。
背中からの温かさに。
首筋にかかる温かい吐息や、腰に回されている腕が誰のものなのかも。
龍弥君・・・///。
も、もしかして一晩中こうして添い寝してくれていたのかな?
本当に龍弥君は優しい。
僕がそのままじっとしていると、龍弥君が僕の体に回していた腕をギュッとしてきたので、引っ付いてる背中から、龍弥君の心臓の音が聞こえてきた。
ドキン。
・・・な、なんだろう今のは?
胸がドキン、って。
へ、変なの。
「りょう・・・」
・・・///。
僕は体を丸めた。
なぜって?
あまりにも龍弥君の掠れた声が耳に響いて、身体中が甘く疼いたんだ。
なんで、こんなに胸が騒ぐんだろう?
「領、起きたのか?まだ起きるには少し早いぜ。朝になったら俺が起こすからまだ寝てていいぜ。」
龍弥君はそう言ってから僕の体を引き寄せた。
僕は心臓がバクバクして眠れそうになかったけど、いつの間にか睡魔に襲われて眠っていた。
再び目が覚めようとした時、耳に熱い吐息がかかっていた。
「・・・ょう、領。朝だよ、起きて。」
龍弥君の僕を起こす声が聞こえてきたので、目をパチッと開けた。
すると目の前に、龍弥君のドアップの顔があった。
かああ〜!
僕は驚いたのと恥ずかしいのとで龍弥君の顔を見れずに目線を反らした。
な、なんで、目の前にいるの?
確かさっきまでは後ろにいたはずじゃあ?
「領?まだ眠い?」
「ううん・・・」
「領、こっち向いて。」
僕は視線を龍弥君に向けたんだけど緊張して直ぐに目を伏せた。
「領、頬っぺの腫れはひいてるよ。痛くはない?」
「うん。」
僕は素直に頷いた。
そうしたら龍弥君が僕の頬っぺに手を添えたので、僕はおずおずと龍弥君を見上げた。
龍弥君は優しい笑顔で僕を見て、それから僕のおでこにキスをした。
「おはよう、領。」
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