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鳳凰の宮学園
優しい時間 7


「コンビニの帰り道にあの人達が誰かをリンチするっていう話が聴こえてきたから、どうしようか迷ってたら紫藤君が来て一緒に違う道で帰ろうとしたんだ。そしたら・・・見つかって。」



龍弥君は僕が話すのを黙って聞いてくれていた。



「逃げようと走ったら僕は転けちゃって、あの人達に捕まったんだ。それでリンチの対象が僕だってことがわかった。それから小屋に連れていかれて、なぜ僕をリンチするのか聞いてみたら、頼まれたからだって言ってた。」



僕は一気に話し終えて、溜め息が出た。

あの人達の話を思い出してみると納得いかない。

誰に頼まれたというんだろう?

気が滅入っていると、龍弥君が頭を撫でてくれた。

ふにゃ〜。

龍弥君の手の平の温かさが気持ち良くて、僕は安心したのか泣きそうになっていた。



「領、辛かったね。」



龍弥君のその一言に僕は涙腺が弛んで大泣きした。




「た、龍弥君、僕、怖かった・・・怖かったぁ。」



暫く泣いていたら龍弥君が、僕にはっきりと自信のある声で語りかけてくれた。



「領、これからは俺が守るから。傍にいるから。」



僕はきっと身体中が真っ赤になっていたと思う。

さっきまで震えていた身体がポカポカになって今にも沸騰寸前だ。



「龍弥君・・・ありがとう。」



僕は龍弥君の腕に寄り掛かり身体を預けた。

すると龍弥君は受け止めてくれ、僕達は束の間抱き合った。



「領、今日は疲れたろ。もう寝ようか?」



「うん。」



僕は龍弥君のベッドに上がり、布団に潜り込んだ。



ひやっ。

龍弥君のベッドには、毛布がない。

暖房が効いてるから、いらないのかなぁ?なんて考えていると。



「領、寒いだろ?俺、暑がりだから冬でも毛布とか要らないんだ。ダチとかが泊まりに来たら文句いわれる。だからもっと俺に寄って。」



僕は龍弥君に背中から抱き締められ、ピタッっとくっついた。

龍弥君はホントに温かい。



・・・けど。



こんなに近くで人と寝たことないから恥ずかしいよ。

父さんや母さんとも子供の頃以来、こんなにくっついて寝たことないし。



ドクッドクッ。



龍弥君の心臓が脈うってるのが分かる。

規則正しいから落ち着いてきて安心したのか、僕はその音を聞きながら深い眠りについていった。







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あきゅろす。
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