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鳳凰の宮学園
優しい時間 5


龍弥君は驚いたようで、焦ったように聞いてきた。



「・・・り、領?」



僕は焦った龍弥君が可愛いくて、顔を上げてニッコリ笑った。



「龍弥君って優しいね。僕とっても嬉しいよ!」



龍弥君は目を見開いてから、僕を抱き締めた。

・・・かなりきつく。

僕はギュウギュウされて最初は我慢してたけど、体が痛くなってきたので、龍弥君に助けを求めた。



「た、龍弥君、痛いよぉ。腕の力を緩くして。」



「あっ、ごめん。傷に障った?領に誉められたら嬉しくて、つい力が入ってしまった。傷痛むか?」



「ううん、大丈夫。さぁ早く着替えよう。本当に風邪を引いてしまう。」



僕達は早々に着替えを済ませ、髪の毛もドライヤーで手早く乾かした。

龍弥君が僕の髪の毛を触る手が気持ち良くてずっと触っていて欲しいなんて思ってしまったけど、これは龍弥君に内緒。



浴室から出ると、龍弥君はリビングに案内してくれた。

そこには大きな木製のダイニングテーブルが置いてあり、その上には夕食が用意されていた。



「領、一緒に食べよう。酒井シェフに頼んで体が温まる食事を作ってもらったんだ。」



「龍弥君・・・。」



僕は朝食を奢って貰ったのを思い出し、更に夕食まで用意してくれている龍弥君に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。



「どうしたんだ?急にしょんぼりして。傷が痛くなってきた?」



龍弥君の手が僕の額にふれて、熱がないか確かめている。



「熱はないみたいだな。良かった!」



龍弥君は心底安心したように笑顔になり、僕の手を引いて椅子に掛けさせてくれた。

僕の横に座った龍弥君は、甲斐甲斐しく僕にスープをよそってくれた。



「さぁ温かい内に食べて、領。」



「うん、ありがとう龍弥君。」



僕は龍弥君がよそってくれた、あんかけスープを一口食べた。

すると、体の中がカァーッと熱くなってきた。

何が入ってるんだろう?

コンソメスープの中に生姜入りの肉団子があって、白ネギとまいたけも入り、それらをあんで閉じている。

美味しい♪

酒井シェフの料理って本当に美味しい!

毎日食べれる龍弥君や生徒会の人達が羨ましい。

あれこれ考えていると、龍弥君が頬杖を付きながら僕を見ていた。

僕は龍弥君のキリリとした眼差しに心臓がドキドキした。






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