鳳凰の宮学園
優しい時間 3
僕はズボンを脱いで裸になった。
ふと鏡をみたら顔が腫れていて、体のあちこちが青くなっていた。
酷い顔!
それに青アザばかりでどこでこんなに打ったんだろう?
貧弱な体が更にみっともなくなってる。
うぅ。
情けない。
そんな僕に追い討ちをかけるように龍弥君の均整の取れた裸が僕の目の前に現れた。
中学生だから細くて厚みは無いんだけれど、綺麗な裸体だぁ。
羨ましい・・・。
はっ、そういえば。
「た、龍弥君?どうして服を脱いでるの?」
「領と一緒に風呂に入るから。」
ええー!?
一緒に入るぅ?
僕がパニクっていると、龍弥君が僕を抱え込んできた。
「わわっ!た、龍弥君?僕、1人で入れるよ〜!」
「1人になんてさせられない。身体中痛むだろ?」
そ、そうだけど。
何か恥ずかしいって思っちゃうんだよ。
男同士だから気にするなんて変なんだけど。
「領は俺と風呂に入るのイヤか?」
龍弥君が淋しそうな目で見つめるから、僕は胸がキュンとなった。
「イ、イヤじゃないよ・・・」
「良かった!」
龍弥君が余りにも嬉しそうに言うから、僕は恥ずかしながらも照れ笑いが出た。
カッコイイのに可愛いんだね龍弥君は。
浴室に入るとモワァッと暖かい空気が漂っていた。
龍弥君がお湯の温度を指で確かめてから、僕の方を振り向いた。
「領、熱すぎないかな?」
僕も指をお湯に浸けてみた。
い、痛い!
すぐにバスタブから手を出した。
まるで熱湯の中に浸けているような感じで、熱いを通り越して痛い。
「やっぱり熱いか。身体が冷えきってるし、打ち身が痛みを増してるんだ。シャワーで少し温めよう。」
僕は龍弥君の指示に従がって、勢いの無い温めのシャワーを徐々に身体にかけていき、段々と慣れていくとシャワーを止めて、バスタブの中に入っていった。
チャプン・・・。
・・・気持ち良い。
お風呂に入るのって本当に好き。
僕が口までお湯に浸かっていると、龍弥君は僕の腋の下に腕を差し込んで引っ張り上げた。
僕は龍弥君の太股の上に乗ったみたいだ。
戸惑った僕は、後ろ向きで抱え上げられていたけど、振り返って龍弥君に聞いた。
「た、龍弥君?重いでしょ、降ろして。」
「重くない。寧ろ軽いぐらいだよ。・・・領の体柔らかだな。」
龍弥君はそう言ってから僕の首筋に唇を落とした。
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