鳳凰の宮学園
コンビニ 3
学園を出て右に行くとコンビニがある・・・はず。
如月君の言う通り右方向に歩いて行くとコンビニが見えてきた。
駐車場のスペースが広くて、そこに鳳凰の生徒達が何人かいた。
僕はコンビニの中に入っていき、部屋に必要な物を探しに回った。
洗剤とスポンジ、それから・・・布巾も要る。
あっ。
棚を見ると歩くのを止めた。
棚に可愛らしいマグカップが置いてある。
子犬の絵が描いていてボールと遊んでいる。
僕はマグカップを手にとって考えた。
久我山が今までどんな生活を送っていたのか分からないけど、何もなくてもやっていけたんだ。
要らないよね。
・・・。
僕はマグカップを棚に戻した。
棚を通り過ぎると後ろ髪を引かれるような気がしたけど、振り切って歩いた。
後はお菓子やジュースを買おう。
パンも買っておこうかな。
夜食用に♪
コンビニに置いて無いものは、土曜日に街に出て買いに行こう。
取り敢えず、生活必需品は買ったから土曜日までの4日間は大丈夫!
コンビニを出ると、さっきまで外にいた連中はいなかった。
周囲を見るとコンビニが3つもあった。
いずれも店の名前は違うけど。
それにファミレスも。
田舎なのに意外とお店があるんだぁ。
僕がボォーッとして立ち止まっていたら、ドンと誰かとぶつかった。
「きゃっ」
わっ!
女の子とぶつかったみたい。
僕は後ろを見て、女の子に謝ろうとした。
そうしたら、その子は顔を上げて僕に謝ってきた。
「ごめんなさい!前を見てなくて。大丈夫ですか?」
「う、うん大丈夫。君は、怪我とかない?」
「はい!」
僕はその子の可愛らしさに思わず顔が赤くなった。
なんて小さく可愛い子なんだろう。
中学生ぐらいかなぁ?
「あのぉ、高等部の方ですか?」
「そ、そうです。」
小さな可愛い子は満面の笑顔で。
「僕もです!」
と言った。
その瞬間僕は一気に青ざめた。
お、男の子?
こんなに可愛いらしいのに?
「僕、1年生の紫藤 奏って言います。あなたは?」
「僕も1年生で名前は柊木 領です。」
「わぁ、同じ1年生なんだぁ!よろしく!」
可愛らしい子は嬉しそうに言って僕に微笑んでくれた。
「こちらこそ。」
僕も笑顔で返した。
「それじゃ僕、買い物があるので。」
「うん。」
僕達はその場で別れた。
紫藤君は一度此方を振り向いてから、もう一度笑顔を見せてくれた。
友達になれそうだ。
僕は嬉しくなって寮へと帰って行った。
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