鳳凰の宮学園
コンビニ 2
2人で林の中を歩いていたら後輩の茶髪男君が自己紹介してきた。
「僕ちゃんの名前は如月 晄でーす。中等部の副会長やってますぅ。特技は性別・年齢を問わずに口説けることでーす。座右の銘は狙った獲物は逃さない!今も年上の綺麗なお兄さんとHしてきましたぁ。先輩は?」
僕は歩くのをピタッと止め、手を離してから如月君を見た。
「せんぱ〜い?」
「如月君て、ほ、ホモなの〜?で、でも女の人とも・・・えっ?あれっ?」
僕はパニックになって自分が何を言ってるのか分からなくなっていた。
「先輩、僕バイです!」
如月君は恥ずかしげもなく堂々とVサインをしながら言う。
あまりにも明るく如月君が言うものだから、この学園ではやはりホモやバイって普通の感覚なんだなって改めて思った。
「あっれぇー、そんなに驚いた?高等部なら中等部より盛んなはずだけど。」
さ、盛んて何がですか?
もう!
昨日の久我山といい如月君もどうかしてる!
男同士でHするなんて。
おかしいよ。
きっと街に出れば女の子にモテるのに、どうしてなんだろう?
わからない。
「せんぱ〜い、固まってるの?ぷぷ、珍種だなぁ〜!面白〜い。食べてみちゃおうかな?」
如月君は意味不明なことを喋ってる。
食べる?
何をだろう?
「先輩、着きましたよ。後はこの道を真っ直ぐ歩いて門を出たら右側にコンビニがありますからね!」
「如月君ありがとう。じゃあ。」
ペコリと頭を下げてから門に向かおうとしたら、如月君が僕の腕を掴まえた。
「わっ!どうしたの?」
「まだ先輩の名前、聞いてない!」
「あっ、そうだね。僕の名前は柊木 領。昨日転校してきたの。それじゃどうもありがとう、とっても助かったよ。」
そう行ってから、そそくさと立ち去った。
如月君は、ゆるい雰囲気を持っているけど、なんとなく久我山に似ているような気がしたんだ。
久我山はもっと・・・
見るからに鋭く光るナイフのような感じだけど。
そう言えば本庄さんといい寮長といい、久我山のこと信用してるんだよな。
変態で、人を人とも思わないような不良なのに。
・・・不思議な奴。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!