鳳凰の宮学園
目覚めて 4
朝からこんな高級な物を頂くなんて、生徒会の人ってお金持ちが多いんだろうか?
今まで浮かれてて考えもしなかったけど、龍弥君もそうなんだろうな。
・・・こんなにご馳走を用意してくれるのは嬉しいけど、やっぱり甘えてばかりではいけない、と思う。
けじめをつけなきゃ!
「龍弥君、話があるんだけど。」
「話?」
「うん。あのね・・・。」
目の前の龍弥君の素敵な笑顔を、もう毎日見れないんだと思うと本当に寂しいけど・・・。
「今日で一緒に朝食を食べるの止めようと思うんだ。」
「・・・え?」
一瞬、僕が何を言ったかわからないって様子だったけど、直ぐに龍弥君は真剣な表情をして、問い掛けてきた。
「急に、どうして?俺と一緒に食べるの嫌になった?」
語尾が小さくなって、龍弥君の顔が曇ってきた。
あ〜!
龍弥君に悲しそうな顔をさせてしまった。
「ち、違うよ!そういう訳じゃなくて。ただ用意してくれている朝食が高級なものばかりだから、僕の家では支払えなくて、無理なんだ!だから一緒に食べれなくって・・・。」
僕が必死に話していたら、龍弥君の表情がだんだん和らいできた。
「領、心配しなくていいんだよ。ここの食費は生徒会の特権で支払わなくていいんだ。だから、」
「だったら尚更駄目だよ!僕は生徒会の人間じゃないもの。」
僕は龍弥君の言葉を遮って話した。
「生徒会の龍弥君の特権を、生徒会の人間ではない僕が使ってしまったら、きっと龍弥君に迷惑をかけてしまうことになるよ。だから・・・今日で最後にしなきゃ。龍弥君には正々堂々とした生徒会長でいてほしいんだ。」
その龍弥君は目を見開いて僕を見ている。
端整な顔にじっと見られていると、妙に照れてしまって恥ずかしいから、龍弥君に声をかけた。
「あの、龍弥君?」
「あ、あぁ。ごめん。」
龍弥君が一呼吸した。
そしてはにかんだような笑みをこぼして。
「領って、やっぱり年上なんだな。教えられることが多いよ・・・///。」
「え?」
「そうだな、俺分かってなかったよ。ごめん領。」
龍弥君が謝りの言葉と同時に頭を下げた。
僕はビックリして、慌て龍弥君に。
「あ、頭を上げて!龍弥君が謝る必要なんてないんだよ!寧ろ僕は龍弥君に感謝してるんだから!」
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