鳳凰の宮学園
携帯 3
「龍弥君の声って凄くいい声だね♪落ち着いてて安心する。とても中学生には聞こえないよ!」
『そう?領に誉められると嬉しいよ。』
「・・・///。」
ぼわっと身体中が熱くなってきた。
顔が見えなくて良かったぁ〜!
携帯から聞こえている声のはずなのに、傍で聴いているような、擽ったさがあるのは何でだろう?
『領?』
「あっ!ごめんね、ボゥッとして。」
『構わない。それより眠たいんじゃないのか?お子ちゃまはもう寝る時間だろ?』
かあぁ〜〜!
龍弥君ったら子供扱いしちゃって・・・///。
「ぜっんぜん平気!眠たくなんかないもん!龍弥君の方こそ、眠たいんじゃないの?」
『クスッ。領は可愛いな、ムキになって。』
ん〜〜・・・///。
なんか悔しい!
僕のが年上なのに!
『領、怒った?悪い、からかったりして。』
龍弥君の声のトーンが少し下がった。
「大丈夫だよ!そんなことで怒らないよ。クスクス、龍弥君可愛い♪今の、年下って感じがしたよ。」
『・・・///。』
ウフフ・・・///。
なんとなく、龍弥君が携帯の向こうで照れているのが分かってしまう。
見たかったなぁ。
龍弥君の照れてる顔。
んっ?
そういえば!
全く僕のバカ。
なんのために、こんな夜遅く龍弥君に電話したんだよ〜!
早く言わなきゃ。
「あの、龍弥君、昨日は本当にありがとうございました!僕、お礼を言っても言っても感謝しきれないよ。あの時、龍弥君が助けに来てくれて本当に嬉しかった。」
僕はありったけの感謝の気持ちを込めて、龍弥君にお礼を言った。
「それでね、助けてくれたお礼をしたいんだけど・・・龍弥君、土曜日か日曜日空いてる?良かったら、一緒に出掛けない?」
『・・・。』
暫しの沈黙があり、僕は焦って言葉を繋いだ。
「あ、あの予定があるんならいいんだ!いつでもいいし。あっ、一緒に行くのが嫌なら、え?」
『・・・ぇと。』
「あ、あの龍弥君?今なんて言ったの?ちょっと聞こえにくくて。もう一度言ってくれる?」
『空いてる。』
ポツリと呟く龍弥君。
心なしか喜んでくれているような気がするのは・・・気のせいかな?
「ホント!?じゃあ、土曜日でいい?時間は・・・そうだな、11時ぐらいでどうかな?」
『分かった。楽しみにしてる。』
「うん!」
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