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人間は成長するもの※
 ※最後の方がR15くらいです



「母上、これは?」

アッシュとルークの母シュザンヌは2人の部屋へある物を持ってきた

相変わらず笑顔を絶やさないシュザンヌは懐かしそうにソレを見つめていた

「これはアッシュの小さい頃に使っていたアッシュ専用の椅子よ。少し片付けをしていたら出てきたの」

「へ〜…小さいですね、でもこれ捨てるんですよね?」



やっぱり笑顔のシュザンヌははっきりと「いいえ」と2人に告げた。普通に考えてみればこういうのは思い出にはなるが、椅子としてはアッシュもルークにとって小さすぎるため、使うにも難しすぎる
そしてシュザンヌは二言目にとんでもないことを言い出した

「あなたたちの子供にと思ってここにおいておくわね」

「はっ母上?!」

「なにをおっしゃってるんですか母上!そもそも俺達はおと…」


シュザンヌの笑顔の裏にある黒い影。アッシュ達はなぜかそんな気がした
そしてやっぱり笑顔のシュザンヌは何も言わず部屋を去った。小さな椅子を残して……








「アッシュってこんなに小さかったんだな〜もうこのイスには座れないんじゃないか?」

「座りたくもないがな」

「なら俺も無理かな…試しに座ってみよう!!」

「抜けなくなって後で喚くんじゃねーぞ屑」


ルークは楽勝♪なんて思いきや座った瞬間、少しずつ冷や汗をかいてきた

ルークは見事にイスには座れたもの、ぬけなくなってしまった
アッシュに先程「抜けなくなっても叫ぶな」などと言われたばかり。
そして、もしこれがばれることがあれば、アッシュのことだろう

必ずなにかしでかすに間違いない。とルークは心のどこかで確信した



アッシュにばれないようにどうにか脱出を試みるが、無駄だった
大きな動作をすればアッシュにばれてしまう。
どうしてもそこだけは避けたい
少し離れた所で、読者を始めたアッシュは後ろにいるルークの姿は見えない
アッシュにばれないうちになんとか抜け出さないとな

その間もモゾモゾ身動きをとってみたけど…抜けない

「おい」

いきなりアッシュに呼ばれた。その間も俺は子供用のイスに座ったまま

「いつまで座ってるつもりだ?こっちにこいルーク」

呼んでくれるのは凄い嬉しい。今すぐにでも隣にいきたい

けど、抜けないんだよアッシュ


「いや、もう少しここにいるよ」

「?イスに座り続けると痔になるぞ」

「なっ、なんねーよ!!座りたくて座って…あ」

しまった。と考えた時には遅かった

一瞬アッシュが微笑んだように見えたのは、気のせい?


いや、気のせいじゃなかった
俺のばか…

「ルーク…まさかお前」

「な…なんだよ」

そんな上から見下ろすなよ!

「立て」

「やだ」

「立てないのか?」

「今は立ちたくない」

「はまったんだな?」

「………」


こいつは本当に馬鹿というかドジというか

少し涙ぐみやがって。座って小一時間は経ったか?
その間ずっと悩んでたのか。この屑は

身動きがとれない奴を相手するこちらとしたら、これ以上の条件はないだろうな。


「あ、アッシュ?!」

「なんだ」

「顔…近くないか?」

「最近ご無沙汰だったからな」

「えっ?な…あ、いま?」

「いま」

「イスに座ったまま?」

「座ったまま」
「キスだけ…だよな?」

「…まさか」




そうして2時間後、ルークは無事イスから脱出はできたもの、ルーク本人は気絶寸前まで達していた
アッシュの肌はなぜか潤いがもどっていたとかなんとか


―END―



「こんなにしたらイス使えないだろ!」

「拭いたら使えるだろ」

「使いたくねーよ!こんな…白いのいっぱい散らかして…」

「お前のだろう?」

「あ、アッシュのも少しはあるばずだろ!」

―この後イスがどうなったかは誰も知らない


イスにはまるルーク
上から見下ろすアッシュ
この構図いい!と思い付いたネタです

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