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お題SS小説
9000HIT企画第三段


まず9000HIT企画小説、
第三段目。

『―バイト先で恋愛―』です。
これはパソコンより更新しているため携帯では見えにくいかもしれません。そしてSS小説の割りには長いかも。

携帯よりもパソコンで見ることをオススメします。
そしてかなりの失敗作です←ぇ






―バイト先で恋愛―

「中途半端な優しさは相手を苦しめるんだよ」

突然隣で品だしを一緒にやっていた多田君に言われた。
「え?」と思わず私が隣の多田君を見たら多田君は酷く悲しい顔でこっちを見ていた。
「品川さんって優しすぎるから相手に勘違いさせるんだよ」
ちょっぴり怒った多田君が品だしをしながら言った。
「そんなつもりは無いけど…勘違いって?」
「品川さんが皆に優しくするから、月曜日の高野さんなんか今度、品川さんに告白するって意気込んでる。」
「っ、うそ!?」
「ほんと」
多田君が隣で膨れる。コンビニには私達と立ち読みの常連さんが数人だけ。
「多田君はさ、妬きもちやいてるの?」
私が笑顔で聞くと、1つ年下の多田君は下を向いた。そして声が小さくなる。
「だって品川さんは俺のモンじゃん…」
「モンって…」
「だから!もう優しく笑顔なんて振りまかなくて良いよ」
「そんな事言われても…やっぱ同じバイト先の人だし、無表情のままなんていられないでしょう?」
「じゃあ、必要以上に振りまいちゃダメ」
「わかった、気をつけるね」
「絶対!」
「わかったから」

品だしを終えた私が立ち上がろうとしたら、隣の多田君が私の袖を掴んだ。
「あと、…そろそろ名前で呼びたい」
「え?」
「まりかって呼びたい。」
「わかった、じゃあバイト以外のときね」
「なんで?」
「なんでって…バイト中に下の名前を多田君だけが呼んでたら変でしょう?」
「変で良いじゃん。付き合ってんだよ、俺達」
「わがまま言わないでよ多田君」
「なんでまりかは俺の事、庸輔って呼ばないんだよ」
「今度呼ぶから、あっお客さん来たからレジ行かなきゃっ」
そう言って私がレジに向かって歩き出した時、多田君は私の手を握ってきた。
「っちょ、多田君!」
「良いじゃん付き合ってんだから、手繋ぐぐらい」
「…わがまま言わないで、仕事中はこういうのはダメなの!」
そう言って多田君の手を払ったら多田君は頬を目一杯膨らましてレジに着いた。
「いらっしゃいませ」
…多分多田君は今凄く怒っている。でも、バイト先でこういう事は私だって困る。
私に対して我侭で独占欲の強い多田君はバイト先でもこんな感じ。

「まりか、肉まん2つにピザまん1つ」
「え、あっはい」
我侭で独占欲が強くて意地悪な多田君。
「はい」
「ありがと」
肉まんとピザまんを入れた袋を多田君に渡すと、わざと手に当たるように袋を受け取る。
我侭で独占欲が強くて意地悪で人を困らすのが得意な多田君。
「ありがとうございました」
お客さんが出て行くと、笑顔で多田君がこっちを見る。
「さっき、わざと手触ったでしょ!?」
「触ってない」
「それに下の名前はバイト中はダメって…」
「俺、承諾してないよ?」
「もう多田君なんて知らないから」
「まりかが優しいから意地悪したくなるんだよ?」
「…私、高野さんと付き合っちゃうよ?」
「うそ!?」
「本当に。聞き分けの悪い子って…」
“嫌い”と言おうとしたら口を塞がれる。
「嫌いだけは勘弁してください。まりかに嫌いって言われたら俺、生きていけない」
「大袈裟すぎ」
「いや、本当に!」
余りにも本気みたいに言うから思わず笑ったら多田君がこっちを嬉しそうに見た。
「何?」
「まりかの笑顔は癒される」
「えー」
また私が笑ったら、お客さんが入ってきた。多田君は私の手を握る。
「だからダメだって…」
「まりか、俺凄い大好きだから」
「わかってるよ」
「バイト終わったら一緒に帰って」
「いつも帰ってるじゃん」
「大好き、本当に大好き…」
多田君はそう言って静かに手を離した。大好きで距離を埋めていくみたいに、大好きが呪文みたいに、多田君は我侭で独占欲が強くて意地悪で甘えん坊で寂しがり屋で人一倍私を愛してくれている。

「私も庸輔が大好きだよ」
多田君みたいにここで声に出しては絶対言わない言葉を心の中で呟いた。

「いらっしゃいませ」
声に出した言葉の裏側に愛の言葉を貴方に詰めた。


END.



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