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お題SS小説
【揃ってくれない前髪】



お題小説です。
お題サイト様からお題をお借りしました。
お題配布:DOGOD69様より








何度切っても


何度切っても




私の揃わない前髪。


鏡の前で切っていっても
どうにもあわない前髪。






クラスの友達はその前髪を
みて"斬新だ"と言う。




でもクラスの新野だけは
私の前髪を見て笑う。




わらう。



さも、私の気持ちなんて
見透かしてるような顔で。




「にぃ野っ」





私は叫んだ。


私は背が他の人に比べて
かなり小さいから、



長身の新野の耳に私の声を響かせるために精一杯の声をしぼりだす。


だからか、
若干私の声が裏返る。


友達と話していた新野が
私の方を向いて




わらう。





「どうして、新野は私を見て、わらうのっ?!」






新野が私に近づいて
長身を私の前で屈めて、
こちらを見る。



「不器用な前髪ちゃん」






新野がわらって
私の髪をぐしゃぐしゃに
していく。





「それは








あまりにも君が
可愛らしいからだよ」









魔法みたいなことば。





私が不揃いな前髪を自分で触って下を向く。






今の私はきっと…








「顔が真っ赤だなぁ」







新野が先に言う。








「うるさ‥い」








不揃いな前髪の私も笑う。



君がわらうから



なんだか私もどうでも
よくなってしまうのだ。






君が私の世界を動かすから
どうしても気になってしまうのだ。





私は、きっと新野が…









新野が右手で私の口を
塞いだ。









「好きだよ」








君は優しく笑った。






なんでも君は私を
見透かしてるかのように
先に言ってしまう。





君は私より、
私の世界を知っている。






私は新野にはかなわない






「顔が笑ってるよ」






「うるさい」





END.






+次#

あきゅろす。
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