近くて遠い/ソウル
敵に撃ち込む魂の波長。しなやかに着地し、見えない速さで敵のふところに入り込む。なんて素敵な職人なんだろうと思った。私のパートナーはあの人に決まり!
死神様の息子の…キッド君!
「諦めろって…」
「なんでよ!!」
「あいつにはもうパートナーいるし。しかも二人」
「じゃあ三個目ということで」
「両手塞がってんのにどうやって鎌持つんだよ馬鹿」
「歯とか」
「鎌を!?」
同じ魔鎌同士ソウルと私は仲が良い。ちゃっかりソウルは優秀なマカちゃんと組んでいくつか魂を狩ってるらしいのですがね、私は今までに一度も魂を食べたことはありません!なぜならパートナー職人と組んでいないから!!!
死神様にパートナーを作らないかぎり任務には行かせないと言われた。でも、だってだってだって!私本当に気にいった人じゃないとやっていける気しないんだもん!
「我が儘言うな!」
「ヒーロは全然駄目だった」
「………だろうな」
「クロナとか優しいから…」
「ラグナロクにぼこられんぞ」
「あーあ。デスサイズの方々は1人でやってんじゃない」
「デスサイズはそれだけ力があるからな。お前が1人で敵とぶつかってみろ。一瞬だ一瞬」
「いや、30秒はいける」
「ほざけ」
「とにかく、私はキッド君とならやっていける気がするんです」
「お前…キッドと話したことは?」
「ないけど?」
「…」
「何その痛い子を見るような目は!私が痛い子だとでも言うのかコラ!」
「その通りだよ」
「泣くぞ」
「俺が悪かった」
ぽんぽんと頭を撫でられなまえはソウルの首に腕をまわして抱き付いた。
「……」
「………」
「母さん…」
「誰が母さんだコノヤロウ」
「いった!!叩くことないじゃん!」
「離れろ馬鹿!」
「やだ」
「……ったく」
「あのさ、寝てもいい?」
「……
……ああ……いいぜ」
「昨日夜中までゲームしてて寝不足なの」
「色気ね―な」
「うるさい」
「……ハァ」
しばらくして力の抜けた体。サラサラと流れる髪に指を通し梳いたりする。
明るくて優しくて泣き虫で、前が見えなくなるほど一直線なこいつを俺はいつの間にか“友達”として見れなくなってた。
お前が他の男と話していれば胸の奥がこれでもかってくらい締め付けられる。coolじゃねえな、俺。いつも目を背けて心を塞いでる。
きっとお前は俺のことなんてただの友達だとしか思ってない。きっと、じゃないか。絶対。
こんな事言ってて恥ずかしいとも思うが……
なんで、俺じゃないんだろうな。
男として俺を見ろよ。
キッドの武器になんかさせねェ。
願わくば、
君の職人に
近くて遠い
(近すぎて手が届かない。)
(側にいるはずなのに、な)
:)なまえちゃんにパートナーが出来ない理由はソウルが邪魔してるからだったり
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