芽生えた感情収穫数99続編 クロナ
「この子は何?クロナ」
「えと…その…」
メドゥーサが見つめる先にはクロナの細い腰にぴったりとしがみついて離れないなまえがいた
ここに来るまでなまえはずっとこの状態だった。暗い路地裏を通る時は泣いて怯えるなまえをクロナが抱き上げて運んだ
「拾ってきたの?元の所に戻してきなさい」
「でも…」
クロナは分かっていた。メドゥーサの元に帰ってなまえが見つかったら、きっとなまえはただでは済まない。そしてそれは自分にも言える
「それより、ラグナロクに一体いくつの魂を喰べさせたのかしら」
「……、99個です」
「へえ…」
面白そうなものをみるように腕を組んだメドゥーサがクロナを上から下まで見つめた
そしてクロナを見ていた瞳が今度はぎらりとなまえに向く。びくりと肩を揺らしたなまえにメドゥーサは薄く微笑んだ
「私はメドゥーサ。
あなたの名前は?」
「なまえです…」
「なまえ……」
この人は怖い人だ。怒らせてはいけない。幼いながらもなまえはそう思った。胸の奥で鳴り響く危険信号に額から汗が吹き出す
肩に浮き上がる蛇がこちらを睨んでいる気もした。目の前にいる人と目が合わせられない
「そう怯えなくてもいいわ」
「ごめんなさい、」
くすりとメドゥーサがまた笑う。そしていまだに肩をすくめるクロナを仰ぎ見た
「側に置くなら死なないようにあなたが守りなさい」
「…!」
長いローブを翻してメドゥーサは去っていった
壊すことしか知らないクロナが生かしたなまえ。面白い、とメドゥーサは口角を上げる
「(ゆるされ、た…?)」
「クロナさんクロナさん」
「…何…?」
「あの人はクロナさんにとってなあに?」
「………僕の…お母さんだよ」
「お母さん…」
俯いたなまえに唇を噛み締める。そうだ。僕は君のお母さん達を、
「クロナさんはあたしのお母さんになってくれる?」
「…え…?」
「だめ?」
「そ、それは…」
募るように見つめられて、ぐっと息が詰まる。この子はもう誰も頼る人がいないんだ。
もう、僕しか
「……い…いいよ」
「ほんと!?やったあ!」
本当に、本当に嬉しそうに笑うんだ。またずきりと胸が痛んだ。僕、なんでこんなに悲しい気持ちになるんだろう
「……クロナ母さん」
「!」
少しはにかんだなまえが言った。そういえばなまえの本当のお母さんの名前は僕と同じ名前なんだったっけ……?
「なまえ…」
できる限り優しい声で言ってみる。ラグナロクはきっと爆笑してるんだろうな
ぎゅっと抱きついてきたなまえの頭を撫でながらそう思った。僕自身がメドゥーサ様にされた事が無いから、こういうのってどうやったらいいかわからないけど…
きっとこうやって、壊さないように、ガラス細工に触れるようにすればいいんだ
「いつまでも、なまえを守ってあげる」
こくりと頷いたなまえに薄く微笑んだ
芽生えた感情
(これがきっと“愛”というもの)
:)クロナは性別不明ですからね!男で母さんでもありですよ!←無理やり
ついに母さんになっちゃったクロナ。その子を守りたいと思ったら恋。母親から我が子へは愛。だから愛≠恋でもあり愛=恋だと私は思います
今回拍手からの御意見から続編を書こうと決意いたしました(^^)ありがとうございました★
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